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趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

ティーレマン指揮 シュターツカペレ・ドレスデン 2018年公演

ティーレマンSKD 201810

2018年10月31日
サントリーホール
指揮:クリスティアン・ティーレマン
演奏:シュターツカペレ・ドレスデン
【演目】
シューマン:交響曲第1番 「春」 op.38
シューマン:交響曲第2番 op.61

クラシックを聴き始めたとき(6年前)、NHKで放送されるクラシックのテレビ番組は、オーケストラの生演奏を聴くことができるものとして、また、人気のある指揮者の指揮姿を見ることができるものとして、ありがたく視聴していた。当時は、アバド、ヤンソンス、ラトル、シャイーなどの演奏会をよく採り上げていて、とにかく知識を増やしたい僕にとってとても有効な情報源になっていた。

そして、その中に良く登場した指揮者の1人がクリスティアン・ティーレマン。いかにもドイツ人という大柄でお堅い風貌。お世辞にも華麗とは言えない棒さばき、妙なところでタメるクセがあまり好きになれず、「かっこ悪い指揮者」として記憶に留められていくことになる。

それから数年が経ち、今ではそんなティーレマンの指揮姿も芸分も「こういういかにもドイツな人がいてもいいじゃないか」と楽しめるようになり、機会があれば実際の演奏に触れたいと思っていたのです。また、ティーレマンが芸術監督を務めるシュターツカペレ・ドレスデンも、名門オーケストラとして定評があり、是非聴いてみたいと思っていたものの、他の指揮者とオケを優先してなかなか聴く機会を持つことができませんでした。

その機会がようやくやってきた。演目はシューマンの交響曲。

シューマンの交響曲は、ベートーヴェンやマーラー、ブルックナーほどメジャーではないにしても良く知られていて、しかしその割には演奏機会が少ないように思う。海外オケが日本で演奏する際に採り上げていたのは、記憶にある限りラトルBPOの1番くらいしかなく、こちらも機会があれば是非聴いてみたいと思っていたところに、このティーレマンSKDによるチクルスがあり、曲、指揮者、オケ揃い踏みでようやく聴くチャンスに恵まれました。

シューマンはオーケストレーションが上手くないという定評があり、僕はそれがどういう意味なのかわかっていなかったんだけれど、実際に聴いてみて、そう言われている理由がわかったような気がします。オーケストラ演奏の面白いところは、全パートが同じ(または同じ方向性の)音、メロディを奏でる部分があったり、各パートで異なるフレーズを奏でてそれが重なることで音楽として成立する部分があったりして、更にそれらが巧みに組み合わさって複雑な構成を見せるところにある。でも、シューマンの交響曲は、弦はどのパートも基本同じ方向性の音を出してそれを積み重ねるやり方で、木管もそれに重ねていることが多い。また、木管にソロパートがほとんどなく、木管だけのパートでも複数の音を重ねていることがほとんど。結果的に、オーケストレーションが単調で、サウンドが少しぼんやりしていて、起伏があまり豊かでないものになっている。実際に聴くとそういう特徴を肌で感じとることができます。

シュターツカペレ・ドレスデンのサウンドは、やや渋めの音色で、コンセルトヘボウのような暖色系の音とは全く違っている。渋めといってもそれは音色の話で、弦はよく歌っていて弱音の表現力も高い。金管、木管も派手さはないものの、実に安定していて安心して身を任せられる技術があり、オケ全体のレベルは非常に高いと思いました。

ベルリン・ドイツ放送交響楽団、バンベルク交響楽団の音色と似た傾向のいかにもドイツ的なサウンドで聴くシューマンは、まさにドイツ音楽そのもの。ティーレマンは時にぐっとテンポを落としたり、タメたりと得意な芸風を存分に披露。単調になりがちなシューマンの交響曲は、このくらい大胆にやってくれた方がいい。

このオケのパフォーマンスを聴いていると、ブルックナーやブラームスを是非聴いてみたいと思わせるものがあります。でも、シューマンもこの指揮者、オケにとてもよく合っている。シューマンは力量のないオケだったり、優等生的な指揮だと退屈しそうな感じもするので、ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンで聴く機会を持てたのは本当に良かったと思います。

去年の秋以降に見たオーケストラ(コンセルトヘボウ、ボストン交響楽団、マリインスキー歌劇場管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、ロンドン交響楽団)は、もちろんそれぞれに音色が違うものの、いずれも弦が膨よかで温もりのあるサウンドだったこともあり、久しぶりに聴いたドイツの渋みのあるサウンドが今日は新鮮に響きました。

本当はヤンソンスBRSOのマーラー7番がこの後控えていたんですが、病気でキャンセルになってしまい、演目が変わってしまった(「巨人」あんまり好きじゃないんだよなあ)ので払い戻したため、今年はこれでクラシックのコンサートは見納めになりました。今年はあまり手を広げず、本当に観たいと思ったものに絞ったんですが、どれも素晴らしいコンサートばかりでかなり良い年になったと思います。素晴らしい演奏を聴かせてくれたアーティストたちに感謝!

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