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趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

ウェルザー=メスト指揮 クリーヴランド管弦楽団 2018年日本公演

メストCO2018

2018年6月6日
サントリーホール
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
演奏:クリーヴランド管弦楽団
【演目】
交響曲第2番 op.36
交響曲第6番 op.68
「レオノーレ」序曲第3番 op.72b

クラシックを聴き始めたころ(もう6年くらい前か・・・)に、CDをあれこれ物色していたとき、オーケストラの名前としてやはりすぐにウィーン・フィルとベルリン・フィルが目に飛び込んできたものでした。この2つのオケは、クラシックに関心がない人にさえ名前が知られているだけにそれも当然のこと。そこからいろいろ情報を調べて行くと、コンセルトヘボウやロンドン交響楽団、バイエルン放送交響楽団、ミュンヘン・フィル、それにロシアのレニングラード(元サンクトペテルブルク)交響楽団や、アメリカのシカゴ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ニューヨーク・フィルなどの名前を知るようになってきます。

初めて本気で見たコンサートがマゼール指揮のミュンヘン・フィルで、いたく感動したため、その後CDを買い集めていると、バイエルン放送交響楽団やベルリン・フィル、ウィーン・フィルに混じって出てくるのがクリーヴランド管弦楽団という名前のオーケストラ。

有名オケは都会にあると勝手に思い込み始めていただけに、クリーヴランドという地方都市にあるローカルオケがあるんだなと思い、華やかな経歴を持つマゼールにもそんな時期があったんだと、また勝手に思い込んだものです。しかし、クラシック愛好家ならご存知の通り、アメリカ五大オケのひとつであり、ジョージ・セルが鍛え上げたとされる一流オーケストラという評価をされています。

また、指揮者のウェルザー=メストは、ウィーン国立歌劇場の監督を勤め、ニューイヤー・コンサートも二度振る実績がありながら、どういうわけか日本では不人気。

そんなわけで、人の意見に流されるタイプの人には注目度が低いようで、ベートーヴェン・チクルスであるにもかかわらず連日空席が目立っていた模様。この日もおよそ六割の入りで、やや寂しい客席風景でした。

まずは交響曲第2番から。始まって2分もしないうちに、ああこのオケは上手いと確信。ヴァイオリンはよく歌い、美しく、しかしただ甘味でなく格調高さまで感じさせる。チェロやコントラバスの響きも豊か。木管はどのパートもハイレベルで金管も非の打ち所がない。特筆すべきは、これら各パートのレベルの高さに加えて、全体のバランス、アンサンブルが見事であること。上手いからと言って出過ぎたところ、落ち着けがましいところがなく、しかしオケ全体は余裕を持って豊かに音を紡ぎ出してる。編成としては決して大きくない曲であるのもかかわらず、サウンドがリッチで締りがある。

このオーケストラで聴く2番はまさに極上品。もともと2番は好きな曲ではあるんだけれども、こんなに素晴らしい曲なんだと改めて思い知らされました。特に第2楽章の美しさと言ったらそれはもう言葉に表せないほどで、生涯忘れられない2番を聴いたという思いです。これなら6番は一層期待が膨らむ。何しろ6番は大好きな曲なだけにワクワク感が倍増。

大幅に編成が増強された第6番は、やはり一分の隙もない見事な演奏。ところがテンポ設定が、クライバーかカラヤンかと思うような早めの設定で、僕の好みから言うともう少し落ち着いた演奏で聴きたかったというのが正直なところ。一方で、活力漲る田園と捉えるなら、これほど素晴らしい演奏はない、と感じた方もいたことでしょう。好みのテンポではなかったというだけで残念と思ったわけではなく、素晴らしい演奏を聴いたという思いに揺るぎはありません。

最後に演奏したレオノーレ。これがまた圧巻。序曲は全集の余りスペースに入っていてあまり真面目に聴いていないというのが正直なところでしたが、ここまでの演奏を聴かされると曲の底力を思い知らされる。後半のステージ裏から聴こえるトランペット・ソロがそれはもう見事で、いや本当にいいものを聴かさてもらいましたと大満足。

あまり人気のない指揮者、一般にはほとんど知られていないアメリカのオーケストラ。しかしチケットの価格は高めの設定とあって客の入りは悪かったものの、斜に構えたクラヲタは少なく(有名オケだと休憩時間にオケの批評やあのときに聴いたあのオケは的な自慢会話がいろいろなところから聞こえてきて良い気がしない)、客のマナーも良かったように思います。

この6年間で結構多くのオーケストラを聴いてきましたが、是非また聴いてみたいと思わせるオケはそうはありません。クリーヴランド管弦楽団は、しかしそう思わせるだけの素晴らしいオーケストラで、コンセルトヘボウやバイエルン放送交響楽団に勝るとも劣らないレベルにあり、しかも独自のサウンドと表現を持っていました。こう言ってはナンだけれどもボストン交響楽団よりも遥かに上だと思います。他人の評価や評論家の意見に振り回されてこういう素晴らしい演奏を避けている人がいるのだとしたら本当にもったいないです。

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