FC2ブログ

Enjoy Life, Enjoy Hobby

趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

SONY WI-1000X vs BOSE QC30

WI1000X201710

ソニーから、BOSE QuietControl 30に真っ向から勝負を挑む製品、WI-1000Xが登場。早速購入してみたのでQC30と比較しながらレビューしてみます。(写真右がWI-1000X)

まず、前提として現在の僕のDAPとイヤホン・ヘッドホンの利用形態から。

通勤のお供として、BOSE QC30を使い始めて1年弱。冬場から春先にかけてはSONY MDR-1000Xヘッドホン(レビューはhttp://buhaina.blog.fc2.com/blog-entry-285.html)も併用していたとはいえ、夏場は暑くて使えないのと、髪型の乱れを気にしなくてはならないこともあって、条件を選ばず利用できるQC30(レビューはhttp://buhaina.blog.fc2.com/blog-entry-274.html)を主力機として使っています。通勤電車で使う用途では、QC30の音質にほぼ満足していて、唯一少し気になっているのがオーケストラの弦楽器の音が電子キーボード的にやや人工的なニュアンスが感じられるところ。MDR-1000Xを併用しているのは、よりナチュラルかつ綺麗な音色で聴けるからという理由からです。

DAPは、Walkman A17を経て現在はiPod Touch 6Gを2台並行利用。2台使っているのは単に容量が足りなくなったからで、ならば大容量SDカードが使えるDAPが他にいくらでもあるでしょうと言われそうですが、どれもこれもディスプレイが小さく、例えば Shostakovich: Symphony #5 というアルバム名で右端が切れて判別できなくなってしまうこと(その切れている番号に意味があるわけで)が受け入れられないこと、「ジャンル」→「アーティスト」→「全アルバム」という階層構造を持つものが(知る限り)ないこと、という極めて私的な理由でiPod Touch以外に選択肢がないんです(階層問題はiOS標準アプリもNGだがUBIOというアプリで解決)。2台持並行利用は面倒かなと予想していたら、クラシック、ジャズ+ロックでそれぞれ1台ずつにジャンルを分けることでアーティスト名からの閲覧が楽になり、2台合わせても176グラムという軽量かつスリムな形状でもあることから、意外と快適に運用できています。


【装着感と取り回し】
WF-1000Xはパッと見でどちらが上方向になるかの判別が難しい。この点は、ネックバンドの下側が広がっている形状であるQC30の方がわかりやすいような気がします。WI-1000Xはネックバンドに角度がついていて上下非対称になっているとはいえ手に持った瞬間にそれを判別するのがやや難しそう。まあ、ここは慣れで解決するレベルでしょう。

装着感は、襟付きシャツを着ていればQC30との違いはそれほど大きくないものの、QC30と比べると横幅がやや狭くU字型になっているためフィット感は上でQC30のようにクルクル回ってしまうことはありません。しかし、スーツやジャケットなどの上着を着ているとその襟周りに収まらずに上方にズレて、上着の襟より上、Yシャツが少し見えているそのわずかなスペースあたりに位置するようになります。肌に当たるわけではないので明確な異物感があるわけではありませんが、「すぐ近くにネックバンドがあるかな」程度の薄っすらとした気配を感じさせ、頭を下に向けると更に上方にズレてそのまま今度は上に首を上げると、ほんのりではありますがいよいよ首に直接当たるようになります。この「存在を感じる」点はQC30にはなかったところで、ついでに言うと、ケーブルがQC30と比べるとやや長く、遊びが多いため、下を向きながら首を左右に動かすとネックバンドと軽く接触し、僅かにタッチノイズも入るようになってしまうという、ワイヤレスのメリットをスポイルする事象も発生(後述の方法で回避可能ですが)。

WI-1000Xのネックバンドは首後部に当たるところがソフトパッド状でTシャツ着用時など直接触れるときの不快感はやや軽減されそう。とはいえ、それほど大きくは変わらない程度。ソフトパッドはボロボロになることがあるので、この状態を何年維持できるかが気になるところです。

ネックバンドから出ているケーブルは細めで、被覆の素材を含め丈夫そうなQC30と比べると頼りない感じ。実はネックバンド式イヤホンは、ひょいっと持って歩くのには向いていません。折りたたむことができず、イヤホン部がブラブラしてしまうから。持って歩くとどこかに引っ掛けてしまいそうで、カバンの中にそのまましまうときもイヤホン部の付け根などに負担がかからないよう気を使います。これに配慮してかWI-1000Xはネックバンドにスリットが設けられており、そこにケーブルをはめ込んで行くことでブラブラ状態を抑えることが可能で、ケーブル保護にそれなりの対策が講じられています。とはいえ、先端のイヤホン部までを収納できるわけではないので根本的な解決とは言えないでしょう。尚、ブラブラ状態で持っているときは、ケーブル部が長く、イヤホンの形状がL字になっているWI-1000Xの方がいろいろなところが引っかかりやすい印象。QC30にはセミハードケースが、WI-1000Xにはソフトケースが付属しており、ケーブル保護の観点では前者の方が優れており、収納性では後者が勝っています。ちなみに、QC30より長いケーブルがタッチノイズを誘発する事象は、このケーブル収納のスリットを利用して長さ調整をすることで解決できます。

イヤーチップは、WI-1000Xは普通の丸い形状のシリコン製、ボーズは専用で独自形状のシリコン製。あまり語られていませんが、ボーズのイヤーチップは圧迫感がない(長時間使用でも耳が痛くならない)にもかかわらず密着度が高いスグレモノで、適切に耳にはめ込めばそれだけで結構な遮音性があります。WI-1000Xのフィット感は特に特徴があるわけではなく普通です(イヤーチップの良し悪しは個人差が大きいので、ここは参考中の参考程度にとどめてください)。尚、WI-1000Xにはウレタンタイプのチップも付属していますが、SHUREのような耳孔の形にピッタリと密着する柔軟なタイプではなく、シリコンと比べて装着感も音の聴こえ方もほとんど変わらない印象です。


【操作性】
WI-1000Xは、ネックバンド左部に電源、ボリューム調整、再生/一時停止ボタンが埋め込まれている作りになっています。イヤホンケーブルの右側に同様な機能を持たせたQC30のリモコンはボタン部の工夫された形状により、手探りで容易に目的の操作ができるなかなかのスグレモノ。WI-1000Xは、右手を首の左側に回して操作することが一般的な方法になりそうで、エンボス加工の出っ張りでボタン部分を判断してくださいという設計。手触りでどの役割かを判断するのは難しい(特に音量の±)ので、ボタンの位置に慣れる必要があります。右側部先端にはNC ON → OFF → アンビエントモード(外音取り込み)切り替えボタンのみを配置。NCの効き具合調整はアプリで操作することになっており、WI-1000X本体では不可能。QC30は本体でNC調整もできます。ただしQC30はリモコンでもアプリでもNC OFFはありません(必要なシーンが思い浮かびませんが)。一方で、WI-1000Xは再生/一時停止のダブルクリックで次の曲にスキップするという、QC30にはない機能を持っています。

オートパワーオフ機能は、約5分で電源オフになる仕様。QC30との違いは、オフになるまでの時間設定が選べない(QC30は5分、20分、40、1時間、3時間、なし、の中から選べる)ことと、接続元との接続が切れてから5分でパワーオフになること。QC30は接続元(DAPなど)との接続が維持されていても音楽再生が止まれば、そこがパワーオフタイマーの起点になり、音楽再生が指定時間内になければパワーオフされます。利用形態によってどちらが望ましいかは違ってくると思われますが、電源切り忘れによる電池使い切りを防止する目的であればボーズ方式が優位でしょう(DAPやスマホの電源を切ったり、いちいちBluetooth設定をオフにしたりする人は少ないと思われ・・・)。

ペアリング完了後のBluetooth接続について、DAP 2台で運用してみるとボーズとソニーでは振る舞いが違います。DAPのBluetooth接続がスタンバイ状態では、QC30の電源を入れたときに2台とも接続状態となり、先に再生したDAPから音が出ます。つまり、2台併用でも聴きたいDAPの再生ボタンを押すだけで良い。また、同じ特性から、DAPが2台とも電源OFFの状態から1台のみ電源をONにした場合、QC30はどちらでも構わず接続を確立するものの、WI-1000Xは前回接続していた機器でないと自分からは接続しに行きません。要するにQC30だと、2台併用であってもBluetooth設定画面を開く必要がありませんが、WI-1000XだとDAPを切り替えるたびに設定画面に入って接続操作をしなくてはならないということ。この点は、WI-1000Xは僕にとっては非常に残念な仕様となってしまっています。尚、このオートパワーオフとBluetooth接続の振る舞いはMDR-1000Xとまったく同じです。


【アプリ】
BOSE connectでできること。
・バッテリー残量表示(インジケーター表示と%表示)
・Bluetooth接続名の変更
・オートパワーオフ、タイムアウト時間の変更
・NCレベルの調整
・音声アナウンスの言語設定
・曲の一時停止、曲送り

SONY Headphones Connectでできること
・バッテリー残量表示(インジケータ表示のみ)
・アダプティブサウンドコントロールON/OFF(自動外音コントロール)
・外音コントロール(NCレベルの調整)
・気圧調整
・定位設定
・サラウンドモードの切り替え
・イコライザー
・音質モード(音質優先か接続優先か)
・DSEE HXのON/OF
・着信時バイブレーションON/OFF

音定位の調整やサラウンドモードはかなり極端な効き方で、正直なところあまり使えるシーンが思い浮かばないし、その他もそれほど操作するようなものではありませんが、イコライザーは嬉しい機能。各種ミュージックアプリで気に入った操作性のものがあってもイコライザーが(例えば凝りすぎていて)使いづらい、ということはよくあり、iOSデバイスのユーザーでウォークマン・シリーズと同様のシンプルなイコライザー(CLEAR BASS含む)を使いたいという人には福音となるでしょう。


【機能性】
QC30と比べての最大のアドバンテージは、有線でも使えること。有線接続は付属の3.5mmピン-MicroUSBコネクターのケーブルで行う。飛行機で映画を見るときに使えなかったことに不満を抱いていたQC30ユーザーには魅力的に映るはず。あるいはこの点だけで「買い」と思う人がいたとしても不思議はないかも。また、QC30が電源を入れないと(バッテリーが切れると)音楽を聴くことができないのに対して、WI-1000Xでは有線接続をすれば電源を入れなくても(バッテリーが切れても)音楽を聴くことができるところも大きなメリット(もちろんその場合はNCをは効かない)。尚、充電しながら使うことはWI-1000XもQC30もできません。

NCのON/OFF、外音取り込み(アンビエントサウンド)は右側のボタンで切り替え可能で、ボタン操作で(段階的にはできるが)一気に外音取り込みモードにできないQC30よりもフレキシブル。QC20のときのAwareモードのような切り替えができる点は良いところ。


【バッテリー】
厳密には測っていませんが、フル充電から再生時間は約11時間強(DSEE HXオフでも同程度)、空からの満充電までは約3時間といったところ。QC30の数字がそれぞれ約11時間、2.5時間程度であるため、ほぼ同等という結果に。

バッテリー残量は、本体ではWI-1000XもQC30も両者本体のアナウンス(電源ON時に電源ボタンを押す)で確認できますが、前者は「high」「Meddium」「Low」の3段階(MDR-1000Xと同様)であるのに対して、後者は%で細かく知らせてくれるためより把握しやすい(QC30初期ファームウェアでは正確性に欠いたが今は改善されている)。アプリでの残量表示はWI-1000Xはインジケーター表示のみで、インジケーターに加えて%表示してくれるQC30の方が同様にわかりやすい。このバッテリー残量の通知マナーはMDR-1000Xと同様の仕様ですが、バッテリー稼働時間が半分程度しかないことを考えるとより細かいレベルで把握できるものであって欲しいと思います。Lowになったときに通知してくれないので正確には測れていませんが、Lowになってからの残り稼働時間は90分に満たない感じです。


【音質】
まず、QC30の音質について言っておきたいのは、ネットなどで言われているほど悪くはないということ。別項記事でも書いたことがありますが、ボーズ(や家電のダイソン)のように、普及品を基準に考えると高価であり、しかし広く浸透して(売れて)いて、高評価なものを見ると叩きたくなる輩が必ず現れます。要は「素人さん何いってんですか。私のようなモノを良く知っている人に言わせるとそこまでのもんじゃない。みんなわかってないねえ」と、立派で違いのわかるオトコ(女性にはなぜかそういう人は少ない)であることを主張したい人、注目度が高いものを批判するオレ、カッケー的な人が一定数現れます。そういう輩はQC30をついには「AMラジオのレベル」とか言い出すわけです。そこまで酷いはずがなく、ボーズ音質悪い説がかなり独り歩きしていることだけは知っておいた方が良いでしょう。

そもそも、ボーズ製品はHi-Fidelityを追求したものではなく、心地よく聴くための音作りが信条であり、耳に馴染みが良く聴き疲れしないサウンドをセールスポイントとしています。僕も音質追求を第1に考えるときにはボーズは候補に挙がってこないけれど、広い意味での使い勝手とそこそこのクオリティを求めるカジュアル・オーディオのカテゴリーでは目が離せないメーカーです。確かにQC2の頃のNCヘッドホンは音質は良くなかったけれど、代を重ねるごとに音質は向上していて、音質の点でもなかなか良いレベルまで来ていると思います。

そう理解した上で、ソニーならもっと良い音質のものを出すだろうというのがWI-1000Xへの最大の期待。QC30との音質の違いはすぐにわかるレベル。同じ曲の同じ部分を繰り返して、イヤホンをとっかえひっかえして聴き比べたりしなくても違いは明らかです。ちなみに、ボーズと言えば低音が強くコモリ気味で抜けが悪い音をイメージする人が多く、確かに小型スピーカーは今でもその傾向が強いんですが、ことヘッドホン/イヤホンについてはQC3でその傾向は終了、QC15以降になると音のヌケがだいぶ良くなり、反面、低音はそれほど量感を持たせなくなりました。そんな特徴のQC30と比べると、WI-1000Xはかなり低音がたっぷり出ており、音の見通しの良さも明確に上を行っています。所謂、オーディオ的パフォーマンスは明らかに勝っており、パッと聴けば、ほとんどの方がWI-1000Xの方が音が良いと感じるでしょう。音の見通しが良いので、サックスやギターの音のニュアンスもしっかりと表現できており、ジャズのベースの実体感のある唸り、シンバルの美しい響きはQC30では望めない領域にまで行っています。コンサートホールのオーケストラの響きの表現も良く、音場の広さもイヤホンとしてはなかなかのものです。

しかし、手放しでWI-1000Xが良いと言えるかというと必ずしもそうとも思えない。低音、高音が強いために音源によっては中音域が(たとえばヴォーカル、ギター、サックスなど)が引っ込み気味になりがちです。オーケストラだと、コントラバスの響きは豊かに出るものの、ヴァイオリンや管楽器は相対的にあまり前に出てこない印象。低音重視派の僕にとって、この低音の量感は歓迎できるとしても、高音のシンバルは時にやや耳障りとすら感じるくらいのレベル。もっとも、この高音の再生能力が全体の音の見通しの良さの根源にもなっているのも事実で、端的に高音域の特性に問題があるともいうこともできません。

WI-1000Xの後にQC30を聴くと、全体にメリハリがなくやや音が眠いように感じてしまいますが、楽器の実体感はしっかりとあって、通勤電車の中で聴くイヤホンとして足りないとは思えず、ほどほどに良い音質と感じることができて聴き疲れしないというボーズらしいサウンドの良さも再認識できます。WI-1000XもQC30もノイズのキャンセリング能力が高いので、低音も高音も過剰である必要性は低くなっており、あくまでも個人的な感覚としてはWI-1000Xのチューニングはややバランスを欠いているように思います(慣れが解決する問題かも)。

また、QC30(というかモバイルスピーカーも含む最近のボーズ製品の全体)で、弦楽器が電子キーボード的に聴こえると感じさせる点があることは繰り返し書いている通りですが、残念ながらその点はWI-1000Xでも似たようなもので、QC30から変えることでここの改善を一番望んでいた僕としてはちょっと残念でした。MDR-1000Xはヴァイオリンやヴィオラの響きがナチュラルだったのでWI-1000Xにも同じような期待したわけですが、イヤホンではそこはうまく作り込めなかったようです。WI-1000Xさえあれば大きくて取り回しの悪いMDR-1000Xは要らなくなるかも、という淡い期待に沿えるものではありませんでした。まあ、ヘッドホンとイヤホンではユニットが根本的に違うから違っていて当然なわけですが。

ちなみに、QC30やMDR-1000Xは音量が取りづらく、音圧低めのクラシックの場合だと90%くらいまでボリュームを上げないとコンサートホールのような雰囲気が出ない場合がありますが、WI-1000だと70%くらいまで上げれば結構な音量が取れます。ポピュラーやジャズの場合はともかく、クラシックを大きめの音量で聴きたいという人にはWI-1000Xの方が良いでしょう。


【ノイズ・キャンセリング】
こちらもQC30について言っておきたいのは、NC機能がQC20より劣るという、少なからず見受けられる世評は違うということ。

NCは、例えば騒々しい業務用空調機や換気扇、地下鉄や飛行機でのメカニカルな騒音が発している文字通りノイズ(騒音そのものではなく、騒音に多く含まれていて人間が煩いと感じる高周波ノイズ/低周波ノイズ)をカットするもの。人が発する声にはそのようなノイズ成分が少ないため、あまりカットされない。よって、NC機能が向上するほど相対的に外部の人の声が目立つようになってしまうわけです。カットするのは外部音ではなくあくまでもノイズであることを正しく理解できていない人は少なくないようです。メーカーは「安全のために人の声はカットしないようにしてあります」と説明していますが、今のNCのテクノロジーでは人の声はあまりカットできないというのが実態で、NCとはそういうものであるという理解は必要でしょう(別に人の声はカットしなくていいと思うんですが)。

QC30は確実にQC20よりNC性能が上がっています。正直なところ、これ以上性能アップをしなくても良い(外部音がまったく聴こえなくなったら本当に危険)ところまで来ていると思う。実際、僕はQC30で音楽を聴きながら読書に没頭してしまい、降車駅を乗り過ごしてしまう失態を2度ほどしていて、それほどまでに外部音のカットができていれば十分だと個人的には思うわけです。

では、WI-1000XのNCはどうか。

拙宅の騒々しい換気扇の元で検証。低周波ノイズの除去は同等、高周波ノイズの除去は僅かながら劣っています。後出し製品なのだから少なくとも同等レベル以上であってほしかったところ。とはいえ、実際の用途では差を感じることはなくほぼ同等と言って良いでしょう。通勤の地下鉄で一区間、かなり騒々しいところがあるんですが、そこで比べても、QC30よりも劣るという印象はありませんでした。(10/20訂正:QC30を久しぶりに通勤で復活させてみたら、NCはこちらのほうが1ランク上だと改めて感じました。WI-1000Xは高周波ノイズのキャンセリングが弱いので、地下鉄のレールと車輪のこすれる音、衝突音が目立ちます。)

某有名掲示板のレビューでは、「NCはあまり効かない」、更に一部には「低音が弱い」と書いている方が複数いらっしゃいますが、まさにイヤーピースがしっかりとフィットしていないときの症状なので、そのような人はうまく装着できていないのだと思います。


【その他】
WI-1000Xは、NCイヤホンとしていろいろな機能を持たせたことは良いものの、ソニー製品全体の方向性としては疑問を感じるところがあります。ソニーは、スマホに食いつぶされたDAPというカテゴリーの市場に今でもそれなりに力を入れており、スマホでは物足りないというユーザーに向けてウォークマン・シリーズをラインナップし、毎年ニュー・モデルを投入しています。現在のウォークマンは、独自OSを採用した専用機とすることで音楽再生に特化して高音質を売りにする戦略を採っているわけですが、WI-1000X(と同時発売のWF-1000X、WH-1000XM2)の機能を利用するためには、iOSかAndroidのアプリが必須で、ウォークマンでは利用できないというチグハグな製品展開になっしまっている。ウォークマンのA30/A40は自慢のLDACでのBluetooth接続だとイコライザーが効かないと言われており、そうであれば本来はますますWI-1000Xのイコライザーが使えることがメリットになるはずなのにそれができないという、ソニー製品で揃えることによる不利益が発生してしまっているわけです。

WI-1000Xは今のところ、実質ウォークマン(またはXpedia)専用コーデックであるLDACを使えるというメリットはあるものの、アプリによるさまざまな機能の利用、中でもソニー独自の圧縮音源補正技術DSEE HXを利用できること、更にイコライザーをイヤホンで設定できるという有線イヤホンではできない機能を備えていることを考えると、むしろiOSデバイスのユーザーで、ウォークマンに近い音質、ウォークマン同様の音質調整機能を取り込みたいと思っている人に向いているのではないかと思えるほどです。


【結論】
ありきたりな結論になってしまうけれど、クリアで見通しの良い音を求めるのであればWI-1000XはQC30よりお勧めできます。ただし、音の特徴としては世間で言われている旧来のソニーらしい面白みない傾向であり、それを打破してナチュラルかつ高音質を実現したMDR-1000Xには至っていないように思います。イコライザーを使えるというのはQC30にないメリットのひとつで、iOSの標準ミュージック・アプリ(プリセット・イコライザーはあるが効きが小幅)を使っている人で、音のバランスを大きく調整したいという人にはうってつけであるように思います。

一方で、装着感や扱いやすさの観点では、特に何か意識しなくてもほぼ問題ないQC30と比べるとWI-1000Xはやや劣る印象で、特に襟付きの上着を着る際に収まりがイマイチなのは人によっては気になるところ。スーツ着用時は想定してないんでしょうか?

総合的に見ると、WI-1000X、QC30それぞれに一長一短があり、何を重視するかでどちらが良いかの判断が変わってくるでしょう。2つとも所有して使って行くのは無駄に思えますが、今のところどちらかひとつに決められません。もう少し使い込んでみたいと思います。

該当の記事は見つかりませんでした。