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趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

「ヘッドハンター・コーリング」(ネタバレ控えめ)

A Family Man 201709


この映画も日本未公開でDVD販売もない作品。

主演はジェラルド・バトラー、相手役にグレッチェン・モル、脇の要所にウィレム・デフォーとアルフレッド・モリーナというキャストでは今の日本では商売にならないと配給会社は踏んでしまうんでしょうか。

ストーリーじたいはありきたりと言えばありきたり。競争の激しい極端な成果主義会社に勤めるモーレツ社員が息子の白血病をきっかけに家族を見つめ直すというもので原題「A Family Man」の方がしっくりくる。

日本未公開で主演が、(失礼ながらイケメン俳優としては旬を過ぎた)ジェラルド・バトラーいうことだけ知っていたものだから、息子の病気をきっかけに家庭人に豹変してドタバタする話、場合によってはコメディかと勝手に予想していたら少し違っていました。

主人公は、上昇志向が強く、成果を出すことと出世することこそが第一。商売の資産となるはずの求職者はもはや人間扱いではなく、自分の成果を上げるための駒でしかない。こういう人は忙しさなんて厭わないし、激しい競争の中で生きていることに充実感を覚えてしまっているので、家族を愛していたとしても優先順位は仕事の次になってしまう。それは息子が白血病になったからといってすぐに変わるものではなく、妻の態度や医師、看護師との会話、そして息子と向き合うことで少しずつ変わって行くところがこの映画の見どころです。

かつて「オペラ座の怪人」のころには王子様的な扱いをする向きもあったジェラルド・バトラーも、順調に年を重ねてメル・ギブソンかブラマヨの吉田かというルックスに変貌し、傲慢で家族への想いは抱きつつも家庭人としてはまるでダメダメな父親役が良く似合うようになっています。

こんな役にどうして?というアルフレッド・モリーナは、最後まで観ればなるほどと納得できるキャスティングで、実際さすがの演技をしています。医師役、看護師役も好演で、ウィレム・デフォーも脂ぎった存在感を主張し、この社長のヘッドハンター会社でやって行くには猛烈社員にならざるを得ないということに説得力を持たせています。

ちなみに、転職斡旋会社は日本にも沢山ありますが、経験的に言うと酷いエージェントが多いです。企業がどんな人材を求めているかを深掘りすることもなければ、登録者が活躍できそうな会社を紹介するわけでもない。単に、募集会社の条件を文字にして、高く売りやすい肩書を持った人材を横流しして、マージンを貰っているだけ。マージンはその人材の給料から比率が決まってくるので、とにかく高く売れる人を優先するわけです。この映画でも「よそのパパに仕事を紹介していあげる仕事」と社会の役にたっているかのように息子に説明していますが、若い一部の人を除くとそんな意識を持ってやっている人は見たことがないですね。僕が知る限り、エージェントはベテランで高給取りほど人を人として扱わない碌でもない輩が多かったです。この映画「A Family Man」を描くのにあたって、ヘッドハンターという職種を選んだのはまさに最適な選択だっと言えるでしょう。

最終的な落とし所まで含めて話が綺麗すぎるのはアメリカ映画ゆえに仕方ないとこととは言えますが、あらすじがありきたりであっても良い作品だと思います。重要なのはストーリーそのものではなく過程と人の心情がどう変わって行くかをしっかり描けているか、即ち中身なわけで、そのあたりはなかなか丁寧に描いてあり、これも未公開にしておくのはちょっと勿体ない。配給会社さんには、話題性やあらすじとキャストだけで客が呼べるかどうかでしか判断しないでいろいろな映画を紹介してほしいとお願いしたいものですが、中身よりも字面しか見ていないヘッドハンターと自分たちが被って止めてしまったのかなあ、と妙な邪推をしたくなります。

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