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趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

「教授のおかしな妄想殺人」(ネタバレあり)

教授のおかしな妄想卒人201706

これまた、純度100%のウディ・アレン作品。

アタマの良い、しかし心が弱りきっている哲学者にホアキン・フェニックス。

人が良くて正直なボーイ・フレンドがいながら、どこか屈折して悩みを抱える変わった男に惹かれてしまう女子大生にエマ・ストーン。

映画掲示板を見ると、作品そのものや人物の評価が結構バラバラなようで、ウディ・アレンらしくないという声も。

いやいや、そんなことはないでしょう。インテリを「実は口ばっかりで心が弱くて大したことがない人」として描くところはウディ・アレンの真骨頂じゃないですか。その「口ばっかり」のところを、「いや、そうじゃない」というのが今回の主人公エイブ教授で、その行動力はかなり素朴であり、屈折した形で出ていて突拍子もないところもさすがウディ・アレン的。

あと、僕はエマ・ストーンのキャラや独特の個性は認めつつ、女の子としてはそれほど魅力を感じていないんだけれど、今回はさすがにやられました。可愛らしい衣装も手伝って、演じるジルがとてもチャーミングな女子になってます。そんな女子が、ついついエイブ教授に惹かれてしまう悲しさ、おかしさがまたウディ・アレン的。そうそう、エイブ教授の腹がだいぶ出ているのはホアキンの役作り、演出ですよ。身を持ち崩した男としての。で、そんな男でも、どこか翳りを持ち、心に闇を抱えた知性豊かな男と見えて惹かれてしまうジル純真さを表しているわけです。

ジルは、若く正直で純真でまともな女の子。一方で、もっと大人なもう一人の女性、リタは人生経験なりに擦れていて、若い頃の人としての正直さ、歳を重ねてだんだん悪いことにも寛容になって行く対比もうまく描いています。

悪意を持っている人が出てこないにもかかわらず起こってしまう悲劇というのもいかにもウディ・アレン的。声を出して笑えるシーンがなく、ストーリーも地味めなのでダメな人にはダメな映画かもしれませんが、本当は恐ろしい話なのに、妙に軽快なエイト・ビート・ジャズがずっと流れていて、どこか小馬鹿にしたところも含めて、純度100%のウディ・アレン映画でした。

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