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趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

B&O PLAY BeoPlay A2 Active Bluetooth Speaker

BeoPlay A2 201702

(今回もなが~い文に・・・)

たびたび触れているように、僕は、妄想と盲信と投資額に脳を支配され、黄金の耳を持っていると錯覚しているオーディオ・マニアはいかがなものかと常々思っています。アナタに迷惑をかけていないのだから気にしなきゃいいでしょう、と思われるかもしれないけれど、この自由に何でも意見を発信できるようになったネット社会で、そういう人種が発する主に公共の掲示板へ投稿(自分を過信するマニアであるほど意見を押し付けたくなるらしい)ほど事実を歪めているものはなく、ニュートラルな姿勢で情報を必要としている人にとって有害でしかないと思うからです。確かに「初めてBOSE買いました。スマホでこんなに凄い低音、もう最高です」というレビューはあまり役に立たないとは思うけれど、実際にどうしてそうなるのかという理論の上澄みだけでわかった気になって作り上げた自分だけの脳内ワールドを惜しげもなく披露した、普通そこまで独断的に振る舞ったらおかしな人と思われるだろうという判断力も持ち合わせていない人たちによる独自かつ排他的な意見は、無益を通り越して有害でしかないと僕は思うわけです。高額製品を所有して悦に入っている人ほどその傾向が強いのもなんだか底の浅さが見えてしまう。だから僕はオーディオ・マニアにはなりたくないし、オーディオ・マニアだと思われたくもない。

それでも拙宅のリビングに鎮座しているオーディオ機器を見れば、立派なオーディオ・マニアだと世間一般の人は思うことでしょう。確かに、良い音で聴きたいという欲も一般の方よりはずっと強いものがあることは認めざるをえない。そのリビングのオーディオ機器は、もうこれ以上のものは要らないと思えるお気に入りのスピーカーに出会ってから8年が経過、センタースピーカーをそれに見合ったものに入れ替えて4年が経過し、特に手を入れることもなくなりました(設置性の観点でリア・スピーカーも替えましたが)。マニアは更にアンプをいろいろと試し続け、それも落ち着くと電源やケーブルに走ったりする人がいるようですが、そんなところに何万、何十万もかけても聴こえてくる音楽の感動が底上げされるほど良化したりはしない(一応ケーブルの世界に一歩踏み入ってみたことはあるけれどまったく意義を感じなかった)、と考えているのでオーディオいじりへの興味はだいぶ薄くなり、特に高額製品にはまったく興味がなくなりました。実際、俗に言うピュア・オーディオ(このピュアっていう単語って気持ち悪くないですか?)の世界はもう何十年もほとんど進歩していないし、比較的目新しいネットワーク系製品も5年くらい前からほとんど変わっていないわけで、新製品に次々と興味を持つことがないのも当たり前のことではあります。

そのリビングの機材は言ってみれば音質のみを追求したオーディオで、質を上げるという意味では完結したわけですが、それ以外の場所で音楽を楽しみたい人にとってはカジュアル・オーディオという世界もあります。カジュアル・オーディオの代表格といえばDAP+イヤホンorヘッドホン。この世界はあくまでも気軽に使えることが優先なので、それほど高価なものはこれまで買ったことはありません。10年くらい前に一度、50,000円くらいのイヤホン(今はこの程度では高価とは言われないほど悪い意味でエスカレートしている)にも手を出したことがありますが、大きく感動したというほどではなく、このあたりがカジュアル・オーディオの限界と悟りました。値段よりも、サイズや使い勝手の点で自分の要求に合っているか、音質が好みであるかの方が重要と思うようになり、値段の高いものを追い求めるよりも自分のニーズに合った製品を選んでいます。

少々ノスタルジックな話に脱線すると、2002年ころに持っていたVAIO C1という小型ノートPCは、まだSkypeやらWebカメラやらの言葉が生まれる遥か前の時代にカメラを内蔵し、動画を撮影したらそのまま編集加工までできていしまうという当時としては先進のオモチャPCで、そこにBluetoothという馴染みのない規格が組み込まれていたのも先進性ゆえのことだったように思います。しかし、このBluetoothという規格はいつまで経っても「こんなの付いていても何の役に立つんだろう」状態が続き、少しずつイヤホンなどの製品が登場しはじめると「音を圧縮しているから音質が悪い」という風評も出て普及の兆しはありませんでした。SBCコーデックであってもカジュアル・オーディオの世界ではぶっちゃけ音質劣化は微々たるものなんですが、ネットで知った情報を鵜呑みにするが人が多いという風潮はこの頃から顕著になりつつあり、一部音質マニアが「悪くなる」と理論論上の欠点を指摘しはじめると「そうか、マニアが言うのならそうに違いない」と「Bluetooth=音質悪い」が定着したように思えます。僕は容量の関係から未だにDAPに入れている音源はすべてAAC 64Kbpsという、音質マニアから鼻で笑われる低音質フォーマットで聴いているんですが、まあ、外で移動中に聴いて64Kbpsと320kbpsを区別できる人は100%いないというのが10年以上前からの持論で、しかしそれでもときどき「そんなレートで聴いてたら音悪いでしょ」と言われることがあります。で、実際に64Kbpsで聴いたことがあるのかと尋ねると「ない」と言うので聴かせてあげると「別に悪くないね」と返ってくる。つまり音質にこだわりがあるわけでもなく自分で試したこともないのに音質マニアが悪いと言っているから悪いと決めつけている人が多いであろうことが垣間見えるわけです。Bluetoothの音が悪いという定説も似たような感じでできあがったんじゃないかと僕は思っています。もちろん、それなりのヘッドホンやスピーカーで音に集中できる環境で聴いたら、圧縮率の高い音源やBluetoothを介した音は少々眠い音になるとはいえ、僕は昔からカジュアル・オーディオならBluetoothで十分だと思っていました。

実際、iPhone7でイヤホンジャックが排除されてからBluetoothのヘッドホンとイヤホンの新製品が続々登場し、一躍人気カテゴリーの製品になると、あれほどBluetoothは音が悪いという定説ができていたはずなのに、そのような声が一気に減少。音質を気にするならあんなもの使えるわけないだろうと言っていた人たち、そしてそれに追随していた人たち、どこに行っちゃったんでしょう?ハイクオリティを標榜するBluetooth製品が続々と登場し、記事を書かなくてはいけなくなったオーディオ・ライターの「最近のBluetooth製品は有線と遜色がない」という、理由なき言い逃れに苦笑いするしかありません。まあ、未だにコーデックがどうのこうの言っている人がいますが、音質を重視するはずのハイエンド・ブランドまでもがBluetooth製品をリリースしてきていることじたいが「Bluetoothによる音質劣化はたかが知れている」ことと「Bluetoothでも良い音を実現できる」ことを認めたことになるんじゃないでしょうか。

と、ここまでヘッドホン/イヤホンをイメージして書いてきましたが、これらが盛り上がる前から地道に市場を広げていたもうひとつのカジュアル・オーディオのカテゴリーが、気軽に持ち運べるモバイル・スピーカー。古くはiPodをDockに差し込んで使うものから始まり、それが今では、バッテリー駆動かつ無線で使えるBluetothスピーカーに置き換わった感があります。いつの間にか種類も価格レンジも多種多様になり、最近はDALIやKEFといったブランドまでもがモバイル・スピーカーを発売しているではありませんか。値段が高けりゃ音がいい、という考え方はあまり好きではありませんが、さすがにある程度の値付けがされているプレミアム・ブランドの製品だと、モバイル・スピーカーでもそれなりにイイ音がするんじゃないかと期待してしまうものです。

僕がモバイル・スピーカーに求めているのは、
[1] 小さく、軽くて持ち運びが楽なこと
[2] 音楽を音楽らしく聴ける音質であること
[3] 防滴仕様であること

の3項目。

出張時、旅行時にホテルで音楽を聴けることを主目的としてきただけに、1泊出張時のカバンのスペースをできるだけ占拠しない小ささと軽さが優先順位としてはトップ。そしてできることならば [2] を満たして欲しいというのが要件。ところが日常で使うにあたっては風呂で聴けたほうがいい、ということで [3] が加わり、現在はJBL Charge2+を愛用しています(経緯はhttp://buhaina.blog.fc2.com/blog-entry-227.html)。BOSEほどでないにしても低音の厚みがあり、音の表現もまずまず。このサイズのため、音場が狭くて音が広がらない、いかにも箱庭的な鳴り方になってしまうのは仕方のないところ。それでも、価格、大きさ、重さ、音質のバランスがちょうど良いスピーカーだと思って使ってきました。

しかしながら表題の通り、買ってしまいましたB&O PLAY BeoPlay A2 Activeを。これまでは、持ち運べてそれなりの音で聴ければいいやと割り切っていたのに、より良い音を、と気になって2倍弱くらいの大きさと重量のものを買ってしまったのだから、これはもう本来の目的を逸脱した無駄遣いと言えましょう。

とはいえ、一応言い訳はありまして、これまでは国内出張のときのお供にという要件があったものの、仕事が変わってからその可能性がゼロになり、個人旅行(=キャスター付きバッグで移動する)の用途では少々モバイル・スピーカーが大きく、重くても構わないようになったのがひとつ。私用の旅行だとビジネスホテルよりも部屋も広いので、音量を上げなくても良い音が行き届いてくれるであろうスピーカーの方がベターだろうと思い始めたのがもうひとつ。

BeoPlay A2 ActiveはBeoPlay A2と較べて、防塵/防滴を謳うようになったことと、後述する電源周りの変更があったことくらいが機能的な違いで、新製品というよりはモデルチェンジ版という感じ。実は、この価格帯の製品がこれまで視界に入っていなかったのは、防水/防滴じゃないからという理由のひとつで、風呂場で聴けるモデルが登場したことも触手が伸びてしまった原因です。(防滴に関する見解は最後の【補足】に記載)

僕の勝手なイメージでは Bang & Olufsen(バング&オルフセン)といえば、おいそれとは買えないプライスタグを付けていながら、音質というよりはインテリアのクオリティをアップさせるほどのデザインがウリという印象。このB&O PLAYというブランドはBang & Olufsenのカジュアル・ブランドという位置付けとのことで、モバイル・スピーカーとしては高価ながらB&Oの製品としては普通に買える値段で、デザインもそれほど主張していないところに特徴があるように見えます。

では、実際のインプレッションを(今回はまた一段と前置きが長いねえ)。尚、音質評価の前提としてもっとも重要な、僕の使用環境における音量(オーディオ製品はどの音量で試聴したかが極めて重要であるにもかかわらず、レビューでその情報がほとんどの場合書かれていないのはどうしてなんだろう?)は、美容院のBGMのような小音量から会話の邪魔にならない上限あたり(つまりそれほど大きな音ではない)を前提としています。

開梱。手厚い説明書がないところはスマートな海外製品ならでは。表面はプラスチック素材のため、高級感に溢れているというほどではなく、実物を見てもデザインに特別な主張は感じません。モバイル用となると筐体全体が他のものと接触する可能性があり、傷が付きにくい、あるいは傷が付いても目立ちにくい素材にした、という判断は妥当でしょう。Bang & Olufsenの製品と考えると凡庸な外観ですが、色合いやボタンのデザイン、ロゴマークの配し方にBang & Olufsenらしい品位の片鱗が見られます。

常識的な操作方法で早々にペアリングを完了させて、音出しをしてみる。まずはラトルBPOのブラームス4番から。そこから出てきたのはモバイル・スピーカーの音でした。何が言いたいかというと、ミニコンポと錯覚するようなFレンジの広さや音圧、音場の広さがあるわけではなく、当たり前と言えば当たり前のことなんですが、あくまでもモバイル・スピーカーが作り出す箱庭的な音響だということです。「普通のスピーカーとして聴ける」という評価も見かけたことから期待値が高くなりすぎていたようで、「あれっ?こんなもん?」と思ったのが正直なところ。とはいえ、オーディオにまったく関心のない妻が最初の30秒も聴かないうちに「(JBL Charge2+より)イイ音するね」と言ったくらいなので、好みに合うかどうかはともかく、誰が聴いてもオーディオ的パフォーマンスが高いと感じられるクオリティであることは確かです。実際、より高価なBOSEのWave Music Systemよりもクリアで自然、低音も十分出ていて、音場が広い。音量を必要としない用途ではこのA2 Activeの方が明らかに音が良いと思います。

これはモバイル・スピーカーに限らずの話ですが、ミドル・クラス以下のスピーカーの中には音の精度が低いものがあります。音楽としての表現云々とかとは別の話で、音の鳴り方の粒が微妙に揃わないものがある。わかりやすいのがピアノとヴィブラフォンで、これらは打感、音の強弱、幅広い音域、連続するパッセージといった表現を求められる楽器であるために、精度が低いスピーカーだと一連の流れるフレーズの中で特定の音に微妙に鋭さ(と僅かな歪み)が伴ってしまったり、引っ込んでしまったりするところがあったりする。もちろん、演奏者が意図して音の響きに変化を付ける弾き方をしているのならその通りに再生しなくてはなりませんが、そうではないのに不揃いな響きになってしまうことを「精度が低い」とここでは言っています。

JBL Charge2+はその精度がやや低く、過去に使ってきたBOSE SoundLink miniもそれほど精度は高くはありませんでした。SONY SRS-X33の精度はなかなか良かったんですが、それと較べてもBeoPlay A2 Activeの精度の高さはワンランク上の印象で、スピーカーとして基礎能力の高さを実感できるところです。音の見通し、低音の響き、解像度、情報量などは、拙宅寝室用ミニコンポ(スピーカーはB&W CM1)と比べると当然聴き劣りするものの、モバイル・スピーカーとしては上々。スピーカー能力を試される金管楽器、木管楽器、ヴォーカルの表現はなかなかのもので、生の音に迫るリアリティを持つハイエンド系スピーカーのような鳴り方は流石に無理ながら、ナチュラルに聴こえるよう上手く音作りされている印象です。

BeoPlayというアプリをプレイヤー(DAP、スマホ、タブレットなど)側でインストールするとイコライザー調整が効くようになり、その調整幅が結構広いため、低音域、高音域共にある程度は好み音質傾向に持って行くことができます(そこにミュージックアプリのイコライザーを更に効かせることも可能)。尚、低音についてはネット上で評価が分かれていますが、ボーズのように厚みがモリモリというわけにはいかないものの、パッシブ・ラジエーターが効いた低い音域まで良く出ていて部屋で聴くぶんには十分なレベル。低域、中域、高域のバランスが良い音作りがされていているため、ハイエンド系スピーカー(総じてどの音域もバランス良く鳴る)を使っている人にも受け入れやすいでしょう。ホテルや旅館の部屋で使うときには低音をズンズンと響かせるわけにはいかないし、そうなると結局音量をかなり下げることになってしまうので、このくらいの低音の響き方の方が使い勝手は良さそう。また、イコライザーで目一杯上乗せすればCharge2+を超える低音の唸りを引き出すことも可能で、もちろん標準設定より低音を抑えることも可能です。ただ、低音を最大限盛ったとしても、アウトドアでEDM系をズンズン鳴らしたいというような人には力不足と感じられるかもしれません。

全体的にクリアでありながら解像感を強調することのない癖のない音であるため、聴き疲れしない、BGMに適した性格の持ち主だと言えるでしょう。Charge2+やBOSEより明らかに見通しが良く、音の傾向が似ているSONYのSRS-X33と較べてもクリアで広い音場が得られ、よりナチュラルな音であるところも長所であると言えます。ロックのエレキギターのくぐもった音、ベースのゴリッとした感触の音、ドラムのタイトな音像とシンバルの響きをしっかりと表現。ジャズも同様で管楽器の音の細かいニュアンスまで拾ってくれる情報量の多さも魅力。オーケストラの金管、木管の芳醇な響きや弦の艶もまずまず良く表現できている。Charge2+だとオーケストラものは一応鳴っています的な感がありましたが、BeoPlay A2は一応音楽として表現できているなと思えるくらいの違いはあります。

筐体の前後にスピーカーを配することで360度の音の広がりを実現する、というのがメーカーが謳うBeoPlay A2の特徴のひとつで、サイズを超えた音場を実現しているのではないかという点はかなり期待していた部分。縦にしても横にしてもどうにでも聴けるスピーカーではあるものの、スイッチ類が上に、ベルトが左に来る配置(脚のゴムもこの置き方で真下に来る)が正しく、左右のユニットからステレオで一応再生されます(裏面もステレオで聴こえるが左右が逆になる)。とはいえ、左右のユニットの距離は短いため実際にはステレオ感はほとんどありません。その一方で両面から音を放出させることで音場の広さを得ており、試しに片面を壁に密着させると音の広がりがかなり抑えられてしまうことからも両面配置の効果が伺えます。また、すべての方向で完全に均一の響きと音量が得られるとは言わないまでも、場所や置き方に対する聴こえ方の変化は確かに少なく指向性が弱い(音の広がりが強い)ため、部屋の中央に置いてBGM的に音楽を流すという使い方に適しています。ちなみに、その指向性の弱さゆえか、広いテーブルの中央に置くとテーブル面に音が反射して響きが結構変わることから、置き場所、置き方に影響を受けやすいという特性もあります。このサイズのスピーカーとしては恐らくもっとも広く音の広がりを表現できるモデルのひとつでしょう。

電源関係では、ACアダプターは前モデルでは専用だったものが本体側がUSB Type-Cコネクター入力となり、AC供給元は通常のUSB-Aコネクターに変更されています。コネクターについては今や家に何本も転がっているMicroUSBの方が使い勝手が良いとは思いますが、パソコンのUSBポートからでも充電できるため、汎用性が少し上がったとは言えるでしょう(その代わりACアダプターは付属しない)。バッテリーは価格.comや米アマゾンのレビューの一部で3時間くらいしかもたないというコメントがいくつか挙がっていますが、音量をプレイヤー側で1/3~1/2くらい(会話するのに邪魔にならない程度の音量)で聴いた限りでは9時間以上はもちました。残量が少なくなるとバッテリーのインジケーターが赤く点灯(通常時は消灯)してしばらくすると音量が1/2くらいにまで抑えられ、その後1時間くらいすると点滅に変わり、そこから更に1時間くらいで息絶えるという過程を踏みます(インジケーターの点灯が始まる前のバッテリー残量はBeoPlayアプリで概ね確認可能)。バッテリーがもたないという意見は、個体差(不具合)か、かなり大きめの音量で聴き続けた場合(=音量を上げた場合の電池消耗が激しい?)の可能性もあるかもしれません。尚、充電時間は(あえて低出力の)PCのUSBポートからしてみたところ5時間40分程度、MAX 2Aを謳う高速充電器でその半分程度を要しました。

総じて、2万円クラスのモバイル・スピーカーよりも良い音質のものを、という期待に応えてくれるスピーカーだと言えるでしょう。持ち運びできる小型スピーカーでバランスが良く、ここまでのクオリティの音が出ることは、5年前から考えると驚くほどの進化。繰り返しになりますがあくまでもモバイル・スピーカーの箱庭的な鳴り方の世界を超越するような驚異的なサウンドとまでは言えず、これまで利用してきたJBL Charge2+との比較でおよそ4倍もの価格差(Charge2+は型落ちで最近は10,000円を割っている)を正当化できるほど描く音楽の世界が変わるかというとそこまでではないんじゃないかなと思います。それでもCharge2+よりは明らかに音のクオリティは高く、そのために4倍の投資をすることを厭わないのであれば満足できることでしょう。

【補足】
誤解を与えないように補足すると防水・防滴使用であっても、実は風呂場で使っても大丈夫、と謳っているスピーカーは僕が知る限りひとつもありません。IPXはあくまでも(お湯ではなく)水に対するレイティングであり、内部が結露するような場合でも通常時と同じ動作、製品寿命を保証するメーカーはない(保証できない)はずです。電子デバイスは結露すると回路素子の劣化リスクがあり、結露の程度が酷い(要は水浸しに近い)場合には素子の機能が失われ、回路のショートが起きたりする可能性もある、というのが一般論。完全密封となるIPX8ならそのリスクは減るでしょうが、結露しないという保証はありません。スマホも含めてメーカーは結露の可能性がある風呂場での動作保証を明言していないはずで、故障リスクを許容できないのであれば、どんなモバイル・スピーカーであっても風呂場での使用はやめた方が良いでしょう。

しかしながら、ITメーカーで長年保守サポートをしてきた経験から言わせてもらうと、日本における人間の生活環境で起こり得る温度や湿度の変動で故障率が跳ね上がるという事例は聞いたことがありません。もしその程度の環境変化が故障率を上げるのならば、空輸(地上ではあり得ない温度差と湿度差の大きな変動に晒されて結露しやすい)で日本に入ってくるコンピューター部品はよく壊れることが定説になっているはずですが、空輸時の悪環境リスクの可能性を指摘する人すら見たことがありません。環境変化、結露で故障率が上がることを示す具体的な統計データは恐らくなく、悪環境ではリスクがあると説明するメーカーでさえ、故障率が上がることを実績として公表しているところはないと思います。つまり、実際にリスクが明らかになっていうわけでなく、理論上は機器に良くないから故障が多かったときに言い訳できる余地を作っているだけなんです。

というわけで他人には決してお勧めしませんが、風呂場に置いて使った程度で故障リスクが高まることはないと僕は思っています。仮に故障率が悪化するとしても、例えば年間故障率が1%から3%になる程度の変化でしょう。これは故障率が3倍になる、という言い方もでき、それをもって故障率が大幅に悪化するというネガティヴな見方もできますが、元の数字が小さい場合は3倍であっても消費者が実感するほどの差異にはなりません。実は防滴を謳っていない製品であっても、水(お湯)がかからないところであれば1日30分くらい風呂場で使っても恐らくほとんど問題ないだろう、多少の対策がされているであろう防滴を謳ってくれていれば、壁面が擦りガラスのように曇る程度で結露と言えるほどではない風呂場での使用はまず問題ないだろう、というのが僕の見解です。とはいえ、寒く冷え切った部屋から湯気がモクモクとしていて温度が高い状態の浴室に持ち込む、といういかにもベッタリ結露しそうな環境変化は避けた方がいいでしょう。

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