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趣味の人生を楽しむサラリーマンの日記

住環境に合わせて掃除機を強化 - ダイソンV8のアップデートとルンバ960の導入

ダイソンV8-201810-1

拙宅の掃除機は、ダイソンV8アニマルプロ(Animalpro)。2年前の7月に購入(http://buhaina.blog.fc2.com/blog-entry-267.html)し、日常的に使用している。寿命が2年程度と言われていたバッテリーは今のところ劣化の兆候はなく、拙宅の掃除時間(実稼働はたぶん15分程度)ではバッテリー・インジケータが残り1目盛りに変わったくらいのタイミングで終了し、多少劣化してきたとしても拙宅利用状況ならまだまだ使えそうな感じです。コードレスに惹かれて購入したわけですが、今ではコード(やキャニスター)がないことが当たり前になってしまい、物置から掃除機の居場所をなくしてしまったこともあって、キャニスター式には戻れない体になってしまいました(もちろん妻も)。

そのダイソンV8、引っ越し前は、カーペット敷が2部屋、畳が1部屋、廊下とリビングがフローリングという環境で、猫の抜け毛を特に吸ってほしかったためアニマルプロを選択したわけですが、今のマンションは全室フローリングになり、ダイレクトモータードライブ・ヘッドは必須ではなくなりました。このヘッドは床との密着度が高くカーペットの埃を掻きむしって吸う力が強力という長所がある反面、密着度が高いゆえにフローリングでは粒の大きいゴミを弾いてしまい、またローラー前側にデッドスペースがあるため壁際に弱いという短所がありました。

というわけで、並行輸入品でソフトローラークリーナー・ヘッドを購入。確かにローラーは壁際まで届くし、大粒の猫砂を弾くことなく吸ってくれるようになり、より使いやすいものに。一方で、毛足長めのトイレマットで使用するとあまり吸っている感じがしないので、やはりこのヘッドはフローリングか畳向けという感じ。良い意味で想定外だったのは操作感で、ヘッドがだいぶ軽くなって片手での操作がより楽になりました。V8アニマルプロはパイプが赤色で、このヘッドを組み合わせると3色の統一感が出すぎてしまうのは面白くないところではありますが(上の写真の通り)・・・。

こうして住環境に合わせてアップデートしたダイソン、より使いやすくなって満足度アップです。

掃除機に満足、とはいえウチのように猫がいると、日々床に抜毛が溜まって行くのは仕方ないところで、少なくとも2日に1回、できれば毎日掃除機をかけておきたい。掃除は1日30分程度のことではあっても毎日のことになると面倒といえば面倒。代わりに誰かやってくれないかという願いを叶えるものとしてもうだいぶ前からロボット掃除機というものがあることはもちろん知っていて、拙宅でも4年くらい前に一度導入を考えたことがあるんですが、あちこちにぶつかりながら方向を変えて適当に動いているだけの掃除機を「そんなに綺麗にしてくれないんじゃないの?」と信用していませんでした。前のマンションは電源ケーブル類のやりくりや、家具などの配置の関係で狭く入り組んだ場所が少なからずあり、ロボット掃除機向きでなかったこともあって、ロボット掃除機向きではなく見送りに。しかし、レイアウトがスッキリした今のマンションに環境的な問題は少なそうで、さらに最近は妻が仕事で忙しく、掃除を毎日させるのも悪いなあと思いはじめて、もう一度検討してみることに。

以前のように壁にぶつかって方向を変えてランダムに動くだけ(実際にはぶつかり方に応じて動き方を変えるらしいんですが)のロボット掃除機に、各部屋を跨いでくまなく掃除させようとすると効率的に動くのは難しく、全室をカバーしてくれないことが多かったり、時間を要しているうちにバッテリーが切れて力尽きてしまったりするものだったらしい。もちろんロボット掃除機がすべてをこなしてくれるものとは思っていないけれど、2LDKの部屋くらいはカバーしてくれないと「自動でやってくれる」感がない。しかし、僕が無関心でいるうちに技術は大幅に進歩していて、上位機種ではマッピング機能(カメラやセンサーなどを装備して部屋の形状を認識した上で効率的に動作する)を備えており、この進化のおかげで、マンションの全室掃除はもう実現されているというではありませんか。

もちろん、大手メーカーの上位機種はそれなりのプライスタグがぶらさがっていて、部屋をくまなく掃除してくれると言っても、椅子などを退けて掃除してれるわけではないし、狭いところを掃除してくれわけでもない。ロボット掃除機だけで床掃除を完結させることはできないわけで、その程度のモノのために安くないお金を払うなんて怠け者にもほどがあるのではないかと自問自答してしまう。ロボット掃除機の存在は多くの人に知られていながら、家庭の普及率が低い(ルンバとブラーバで4.5%とのこと)のは、僕と同じように「自分でやるべき仕事をサボるための高額贅沢家電」と思っている人が多いからではないかと思います。

でもよく考えてみよう。掃除(と洗濯)は、生産性がないのに必要不可欠な家事で、だから時間を奪われている感じが強い。これまで仕方なく費やしてきた時間をなくす、あるいは減らす、を実現してくれる技術はものすごく価値が高いのではないか。有意義と思えなかった時間浪費を減らすことができる家電には、それだけの価値があると言えるんじゃないだろうか。買うための言い訳にしか聞こえない感じもしますが、忙しい妻に楽をさせてあげるためのものであればと考えて導入することにしました。

そうと決まれば次は機種選び。海外、国内メーカーを含めて、今や数多くのロボット掃除機がラインナップされている。知名度が高い製品はそれぞれに一長一短ありそうだけれど、掃除する機能において大きな違いがあるわけではなく、どれを選んでも満足できそう。

購入にあたっての条件。
[1] マッピング機能を搭載していること(全部屋を掃除してほしいので)
[2] サポートがしっかりしていそうであること(壊れやすそうなので)
[3] 猫の自動給餌器や飲水器を避けてくれること(留守中でも置いておく必要があるので)

あるに越したことはないが、あまり重視しなかったこと。
・静寂性(基本的には留守中に掃除してもらうので)
・吸引力(全室フローリングなので)
・隅っこの集塵力(そこまでロボット掃除機に期待していないので)

[2]を考えると、一応大手メーカーであった方が良さそうで、そこから[1]の条件をふまえるとルンバ900シリーズかパナソニックのルーロMC-RS800、エレクトロラックスのPurei9、Neato RoboticsのBotvacシリーズあたりに絞られてくる。そして[3]を実現しているのはルンバ(ヘイローモード)だけ、ということであまり悩むことなくルンバに絞られる。拙宅は強力な吸引力は特に必須というわけではなく、強力吸引機能を省略した下位モデルの960なら価格面でもそれほど割高感もないことからルンバ960を選択することになりました。

まずはホームベースの設置。説明書によると前方1.5m、横に1.5mという決して狭くないスペースが必要と書いてあり、置きたい場所は、前方は確保できるものの、横方向はそこまでのスペースはなく、それでも今のところはしっかりと戻ってきてくれます。条件はあると思いますが説明書の条件がすべて、墨守しないと絶対にダメというとこではないようです。ネット情報を見ると、ラックなどの下のスペースにホームベースを設置している人もいるのだとか。

ルンバ201810-6
(この広さで今のところ、支障なし)

拙宅は、段差がほとんどなく、フローリングしかないため、ロボット掃除機向けの部屋である一方、2人暮らしの割には家具や物が多く、そういう意味ではルンバに優しいとは言えない環境。仕様上、通れることになっている幅45センチはクリアしていても、狭い場所が数箇所あります。そんな環境で本当に部屋全体を掃除してくれるのか半信半疑で初回の掃除を実施。

ルンバ201810-1
(ケーブル巻き込み対策は必須。奥のキッチンまで入って本当に掃除してくれるのか?)

ルンバ201810-2
(拙宅で一番狭いところで左に折れてキッチンが奥まで続く)

狭いところまで入って掃除してくれるのかという懸念を抱きながらルンバの様子を観察していると、その狭いところの入り口を少し掃除したところで引き返してしまう。これじゃあ導入した意味ないじゃん、と思っていると広いスペースを一通り掃除したあとにまた狭い場所に戻って、どんどん入り込んでしっかり掃除してくれました。L字型で奥に入る洗面所もベッドサイドも、一番奥までしっかりとカバー。部屋のカタチを認識した上で掃除をしてくれるマッピング機能のおかげで、2LDKの部屋を一通りしっかり掃除してくれました。ルンバは広い場所を先に掃除してから壁際を掃除する仕様であることが謳われていますが、壁際だけでなく狭い場所も後回しで掃除する傾向があるようです。

ヘイローモードを設定した自動給餌器と飲水器はもちろんしっかり回避(ただし60センチ半径という仕様より狭い印象)、高さ10センチの玄関はギリギリのところを少しずつ伝って落ちないなど、行って欲しくないところへの備えも万全。一方で、動かせるモノに対しては、体当たりを仕掛けてどんどん動かしてしまうので、置いてあるドアストッパーを蹴散らしてしまったり、もう1箇所の猫の水飲み器をどんどん押し出してしまう事象が発生、やはり基本的にはモノは置かない、あるいは動かないようにするなどの対策が必要です。あと、ルンバが乗り越えられるとされる2センチ前後の高さの、床に這うタイプの脚は苦手です。

ルンバ201810-3

これ、なんとか乗り越えてくれるんですが、途中でスタックしそうになって見ているとハラハラします。がんばって脱出してくれるとはいえ、本来の目的である掃除を全うしてくれているようには見えず、この種の脚の家具を置かなくて済むのであれば、置かない、もしくは掃除のときだけどこかに上げておく方が無難です。

あと、椅子やテーブルの足をしつこく掃除してくれるので、特にウチのように椅子の脚にフェルトを付けていると溜まってきてしまう猫の毛を掃除してくれるのはとても助かります。

ルンバ201810-4 ルンバ201810-5

もちろん完全に取り除くことはできていませんが、この写真の残った毛は手で引っ張っても取れなかったものなので仕方ないところ。ロボット掃除機は、モノを退けて掃除できないし、狭い場所も入れない、即ち普通の掃除機よりも掃除できる範囲が狭くなってしまう。つまりどうやっても掃除範囲が普通の掃除機には及ばないわけですが、このダイニングチェアの脚元のような場所は掃除機のヘッドだと届かないところで、ここを丁寧に掃除できるのはロボット掃除機ならではの数少ない強みと言えるでしょう。

2LDK、75平米の拙宅全体に要した時間はおよそ50分で、ちょっと買い物に行っている間に完了してくれる時間で収まってくれるのもありがたいポイント。これはルンバだけの機能ではありませんが、どのエリアを掃除したかのマップを後でアプリで確認できるから、留守中掃除でやり残したところがないかがわかるのも便利です。ちなみにインジケータでは掃除終了時点でまだ40%くらいの残量を示していました。

ルンバmap 201810-1 ルンバmap 201810-2

(洋室の未実施エリアはベッド、猫のケージやデスクと椅子など置いてある場所)

物が置いてあるところやルンバが入れないところを掃除していないにもかかわらず、1回の掃除で取れる埃や猫毛の量が、ダイソンで掃除したときよりも多いのはちょっと意外でした。実は丁寧にやっているつもりの普通の掃除機でも、やはり人間がやることなので「かけ残し」があること、ロボット掃除機は自分で掃除できるエリアについては、より時間をかけて掃除をしているために念入りに集塵していること、あたりが原因ではないかと思います。テレビCMなどで掃除機の吸引力をアピールするために白い粉を吸わせたりしているとき、ゆっくりヘッドを前進させているのは、そうしないと吸い残しが出るからであって、家の掃除機をあのゆっくり動作で部屋全体に対してやっている人がいるはずもなく、人が通常やっている掃除機のかけかたはそれほど丁寧ではない、ロボット掃除機は丁寧にやっているという当たり前のことに気づきます。時間をかけて丁寧に埃を吸引するところも、ロボット掃除機の強みと言って良いんじゃないでしょうか。

というわけで、「2LDKを一通り自動で掃除してほしい」という決して低くなかった期待値に応えるだけの賢い掃除ぶりに大満足。部屋をちゃんと認識して行き来する様子を見ていると、子供の頃にSFで見た未来のロボットを見ているかのうようで、技術の進歩って本当にスゴイなあと感心しきりです。もちろん、まだ至らないところもあって、やはり部屋の隅はしっかりトレースしてくれていないこともあって微妙にかけ残しがあるし、通った場所でもあまり丁寧にやってくれていないところもある。このあたりは今後の改善課題でしょう(他メーカー品はもっとしっかりやってくれるのかも)が、ここまで自動でやってくれれば十分。逆に言うと、これ以上進化する余地はあまり多くはなく、あとは細かい部分のブラッシュアップくらいなのでは?と思ってしまうほどの完成度にも驚くばかり。ロボット掃除機なんて面白半分の贅沢品でしょ、と懐疑的な方もいると思いますが、床に物を置かない環境を作れる家なら実用観点でも大変なスグレモノだと言えるレベルになっています。なんて偉そうに言ってますが、マッピング機能を装備したルンバはもう3年前に発表されていたようで「面白半分の贅沢品と思っていた」のは他ならぬ自分のことなのでした。ここまで進化していること、知らないのは僕だけではないと思うので、ルンバに限らず、マッピング機能を装備しているロボット掃除機はもっとアピールした方が良いと思うんですが、メーカーの皆さんいかがでしょう?

最後に余談ですが、ルンバが日本でロボット掃除機市場において60%のシェアを持っている理由は、機能というよりもマーケティングが上手いからなどの理由があると考えられますが、名前も結構効いているような気がします。映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」でマクドナルドを乗っ取った理由をレイ・クロックが「マクドナルドという名前がイイから。クロックという名前の店で食べたいと思わないだろう?」と嘯くシーンがあります。耳に心地よい名前が親しみを持たれるというのは飲食店に限らず、結構重要だと僕は思っていて、例えばダイソンという名前にはシンプルで力強い響きがあって、これがもしローワン(現CEOの姓)という名前だったら、ここまで名前が浸透していなかったんじゃないかと思えます。昔、パソコンのVAIOが流行ったのもデザインの良さだけでなく名前の良さがあったからだと僕は思っていて、例えば「ウチのVAIO」と呼ぶ人はいても「ウチのFMV」と呼ぶ人は誰も居なかったわけです。ロボットはついつい擬人化してしまうもので、「ルーロ」「Purei9」「Botvac」という名前よりも「ルンバ」の方がずっとポップで親しみやすくて感情移入しやすい。そうなると所有満足度が上がるわけです。他のメーカーも機能的にはルンバとほぼ同等、場面によってはそれ以上の機能を実現しているようなので、ネーミングもひと工夫してみてはいかがでしょう?

ルンバ201810-7





ピアノ・レッスン 第35回

(ピアノレッスンの記事は自分のための備忘録を主目的としています)

ピアノのレッスンは、スタジオを借りて先生に来てもらい、妻と僕と45分ずつ受けています。ところが今回は妻が体調が悪く出かけられないというので、1人で90分受けることに。

まずは、前々回からの「チェルニー やさしい20の練習曲」Op.262-No.1、No.2。

チェルニー261-1-2


このように連ねてスムーズ弾くのは初心者の僕には非常に難しい。どうしても指が転んでしまう。右手だけで弾くと上手く弾けるんですが、この見た目が簡単そうな左手を加えると途端に右手がスムーズに動かなくなってしまうのです。これはもう繰り返し練習するしかないんですが、曲としてさほど面白くない曲を繰り返して練習するのは、それはそれで結構辛い。まあ、それでもやるしかないんですが。

先生からのアドバイスとして、左手が休んでいる時間が結構長いので休んでいるところで早めに準備しておくことで余裕を持たせて右手に注力するというもの。これが、言うのは簡単なんですが、以外と難しい。それでも意識してがんばってやってみるとつながりが良くなりました。

右手と左手が逆になる後半は、左手の指を如何にスムーズに動かすかがポイント。これまでこのように左手を動かす曲を弾いていないので、ぜんぜんスムーズに動かない。がんばろうとするあまり、指を高い位置に上げてバタバタと引いてしまう。できるだけ指の位置を上に上げすぎず、鍵盤からあまり離さないようにしなくてはならないんだけど、これがまた上手くできない。先生のアドバイスとして、ダラっと連ねて流すのではなく、1・2・1・2という感じで拍を取ってゆくと指が転びにくくなるとのことで、確かに意識してそうしてみると多少はスムーズに弾けるようになりました。これまでは、譜面通りに音を取れるように(曲を覚えて)することを目標にがんばってきたわけですが、このような曲はどのように指を動かせば良いかを把握するのは簡単でも、指をスムーズに動かすことが難しく、そういう経験は初めてのことでかなり苦戦しています。でも、これこそが練習曲というもの。正直、弾いていて面白い曲ではないんですが、ここで基礎をしっかり覚えることが、これから取り組むであろう難しい曲の習得に役立つと思ってがんばろうかと思います。基礎をしっかりやらないと、すぐに壁に当たってしまうのは、我流でテニスをやっていて経験済みなので、それを教訓に手抜きせずにやるつもりです。

次は「チェルニー やさしい20の練習曲」Op.262-No.9、No.10。

チェルニー261-9-10

この曲も右手だけ、左手だけなら難しくない。でも右手はある程度集中していないとこの通りに弾けないので、両手合わせて弾くと途端に弾けなくなってしまう。やはりこの曲も、左手が休んでいるところがあるので、そこで次の準備をしておくことで、スムーズに弾ける用になるという点が同じで、しかし、これも口で言うのは簡単、やってみるとなかなかうまく行かない。これも繰り返し練習するしかありません。練習曲って結構辛いもんだなあと、ようやく身に沁みてわかってきました。

次は、たっぷりあった時間を利用して、以前取り組んでいて今でも自宅での練習では弾いているラ・ラ・ランド「ミアとセバスチャンのテーマ」でスムーズに流れないところについて、どうしてうまくいかないのかを尋ねてみました。ここでもやはり次に備えて先に準備していないことが原因とのこと。確かに、手を離して良いタイミングでまだ残しているせいで次の動きが遅れてしまっていることが、先生の指摘によってわかりました。自分で練習していると気づけないもので、やはり先生に見ていただくことは大事だなと再認識。

「月光」は譜面通りに辿ることはできるようになったので、うまく表現できるような弾き方を指導していただく。前回と同じことを書いていますが、今回は時間があったのでみっちりと教えてもらいました。この曲、右手は3連符でリズムを取り続けるわけですが、3つ目の音が強くなってしまっているところを指摘していただいて、修正すべく弾いてみるもなかなかうまくいかない。一度良くない癖をつけると修正するのが難しいのは以前からわかっていたんですが、長く取り組んできた曲ほど、その修正が難しく、相当意識して弾かないとできないことに唖然。ここは出直しです。あとはテンポの揺らし方も教えていただいて、自分で言うのもなんですが、だいぶ上手く弾けるようになってきたなあと思います。もちろん、先生に弾いてもらうとそれはもう同じ曲とは思えないくらいカッコよくなるんですが。もちろん、先生はじめプロの演奏のような表現レベルは今の自分のレベルより遥かに上にあってそこに辿り着こうなんて思ってはいないけれど、まだまだ表現を磨ける余地がたくさんあって、それを目指して行くのはかなり楽しいものです。

今回のレッスンまでの教訓
●流れが良くないときは次に備えた準備ができていない。次に備えた準備はとても重要。
●音がずっと連なっていても、1・2・1・2のように拍を取れば指が転びにくくなる。
●一定リズムのところは強弱をうまくできるようになると、曲の表現力がぐっと上がる。

ピアノ・レッスン 第34回


(ピアノレッスンの記事は自分のための備忘録を主目的としています)

諸般の事情により、今回は7週間ぶりのレッスン。

チェルニー Op.777 第24番は、ほぼ終わっていた曲ながら、前半の装飾音符のところをスムーズに弾くのが難しく引き続きの課題として残っていたもの。特に2つ目の5連続になる部分が#シラソラ#シ、指は43234の順でサラッと流れるように運ぶわけですが、黒鍵と白鍵の高さが違うこともあって#シが強めに、ソとの間に入って位置が落ちる格好になるラが弱めになってしまう。ある程度練習をしてもなかなか思うように動かない。ここはもう場数というか、まずは右手だけでスムーズにできるように何度も繰り返して、左手も合わせられるようになってからも更に何度も繰り返し練習した結果、自分としてもイメージの70点くらいの完成度で弾けるようになり、先生も合格認定。ただし、この右手の動きを実現するために、自分的にはどうしても右手首をやや右側に押し出した形(曲げる・傾ける)ほうが弾きやすかったんですが、先生のお手本を見るともちろんまっすぐに手を前に差し出して弾いているので、こんなふうに傾けても良いのか尋ねてみたところ、少しくらいなら大丈夫とのこと。アマチュアの趣味レベルなら多少のごまかしは良いようです。

これでチェルニー Op.777 は全24曲を修了。1年半かかりました。49歳で初めてピアノに取り組むにあたり、先生が用意してくれた練習用の曲集だったわけですが、サブタイトル「5つの音による」「左手のための」が示す通り、右手はポジションを移動させずに5音だけで単音のみ。ポジション移動がないとはいえ、ハ長調、ト長調(ファが黒鍵)、ニ長調(ドとファが黒鍵)のバリエーションがあり、たった5音の中でも様々な指の動かし方を要求するため、初心者にとっては決して簡単ではない。左手は単音から和音までバリエーションに加えてポジション移動もあって、より難しいけれど、心が折れるほどまでは行かない。難しいと感じつつも、乗り越えて行けるレベル感がちょうど良く、初心者用の指の練習にとても良い曲集だなと思います。しかも、曲がチャーミングで、弾いていて楽しいところが良い。これからピアノを始めようという人に強くお勧めできます。

次の練習曲として先生が選んでくれたのは、「チェルニー やさしい20の練習曲」という曲集。1曲目は、ハ長調で黒鍵がなくなって簡単かと思うとまったくそんなことはない。右手は、音階こそドレミファソをひとつずつ上って下ってを繰り返すだけながら、16分音符をメゾフォルテで57個ずっと連ねなくてはならない。左手は2種類の和音だけと易しいはずなのに右手で精一杯で合わせるのが精一杯。後半は右手と左手が入れ替わり、左手で16分音符をメゾフォルテで57個連ねるという苦行。右手は前半同様に2種類の和音だけながら、やはり左手の忙しさに気を取られてしまう。練習する時間は結構あったので、音を取るだけ、指を回すだけならそれなりにできるようになりましたが、ただ単に譜面通りに鍵盤を叩いているだけになってしまっていました。このような曲でもやはり細かい強弱をうまくつけることで曲として綺麗な形になるもので、先生のお手本と自分の雑な音とのギャップに唖然としてしまう。音の強弱をうまく付けるポイントを教えていただいて次回に持越しとなりました。その後、2番の譜読みをしてこの日のチェルニーは修了。ちなみに、指を綺麗に動かすことを目的としている曲なので譜読みは簡単です。この1年半で譜読みのスピードが多少上がったということもありますけど。

月光は、譜読みは終えてほとんど頭に入っているので、曲の表現の領域を教えていただく。ポイントになるところを教えてもらうわけですが、要は音を出していくところと引くところを押さえることが主目的で、譜面で表現されていないポイントを指導していただくのは良いとして、よくよく見ると譜面にしっかりと強弱の指示が書かれているではありませんか。クレッシェンド、デクレッシェンド、p、ppの指示を注意深く守れば結構格好がつくことがわかる。というかちゃんと指示通りやりなさい、ということ。譜面を見なくても音が取れる(覚えた)からと譜面を見ないで弾けるようになったせいで基本中の基本の譜面をしっかり読むという行為を疎かにしてしまっていたのは反省点です。

実は最近、左手に痛みを感じるようになっていました。原因は、主に月光の練習を重ねたせいと思われます。左手はずっと開いた状態で、1番(親指)と5番(小指)は常に鍵盤を押さえっぱなしで、無駄にがんばって力を入れっぱなしであるためと思われます。この第1楽章は僕が通して弾くと8分くらいかかり、途中で引っかかってやりなおしたりしていると10分くらいかかってしまい、ずっと力を入れっぱなしで手を開いて親指を小指を押さえ続けるのは負担が過ぎたようです。もちろん音の変わり目で鍵盤を押さえる最初のところはしっかり打鍵しないと音が出ないわけで、ただし、そのまま力を入れて押さえ続けるのではなく、最初に音を出した後は鍵盤に手を置いたまま、力を抜いてしまって良いとのこと(ペダルを踏んでいるので音は当然持続する)。無駄な力を使わないことも今後の課題になりそうです。

今回のレッスンまでの教訓
●弾きやすさを優先して多少は手首を左右に傾けても良い。
●指の回転と音取りばかりを気にせず、音の強弱にも注意を払うべし。
●鍵盤を押さえ続けるところでも力を抜くところは抜いて良い。(手を痛めないためにも)

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」(ネタバレあり)

ファウンダー201810

昔々、「ファストフードが世界を食いつくす」という本が新刊で発行されていたときに読んだことがある。調べてみたら、2001年の発行なのでもう17年も前の話。この本には数多くのマクドナルドのネガティヴ情報が書かれていて、読んだあと数年間はマクドナルドを食べることはなくなり、ハンバーガーじたいもあまり食べなくなってしまった。それまでファーストフード産業がどのように成り立っていたか考えたことがなかった僕は、利益が最優先される資本主義ビジネスの暗部にうんざりして、あえてハンバーガーなんて食べなくてもいいや、と思うようになっていた。

というわけで、マクドナルド兄弟が経営していた独自のシステムのハンバーガー・ショップを、フランチャイズでビジネスモデル化したレイ・クロックという人物がいたこと、商業主義についていけなくなった兄弟が降りてしまったことも知っていて、「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」もそういう話だろうと思っていたら、実際そのような話でした。

だから面白くなかったかというとまったくそんなことはなく、レイ・クロックという人物を描くことを中心に据えた話にしたことで、人間の強さと弱さを見事に表現した、なかなか見応えのある映画に仕上がっていた。

映画の最後にマクドナルド兄弟の弟がレイにこう尋ねる。「マクドナルドのシステム、ノウハウを知ったのに、なぜ自分でビジネスを起こさなかったのか」。これに対して「マクドナルドという名前がイイから。クロックという名前の店で食べたいと思わないだろう?」と嘯く。

名前がいいから、というのは確かにその通りだったかもしれないけれど、それは小さな理由のひとつだったにすぎない。映画前半では、投資家に持ちかけてオープンさせたフランチャイズ店が、メニューやハンバーガーの内容を勝手に変更していることにレイが怒っているシーンが描かれている。注文してすぐに提供されるシステムも味も気に入っていたことはレイが最初に店を訪れた時点で描かれていて、それこそがレイが一番惚れ込んだ理由であることがわかるはず。ではその惚れ込んだものに対するレイの思いはどうなったのか?品質などどうでも良いと思うように変わってしまったのか、品質が重要なのはわかっているけれどビジネス拡張のためには優先順位を下げるのも仕方がないと思っていたのか。はたまた、同じ品質のものでも粉というだけで拒絶反応を起こすマクドナルド兄弟の非合理的な頑固さに愛想を尽かしたのか、などの細かい描写はされていないものの、結局、名前だ良いだけが理由でなく、それらが複雑に入り混じったものであったであろうことがなんとなく想像できる。

事実はどうだったか知らないけれど、この映画でのレイは自分の頭では何ひとつ斬新なアイディアを出していない。店の土地を所有して不動産運用すること、ミルクシェイクを粉末にして冷凍庫の電気代を節約することなど、他人のアイディアを実現化したにすぎない。そもそも、映画の最初のシーンのレイのセールストークが、胡散臭くてまったく買いたいと思わせてくれないからセールスマンとしても一流とは言えない。つまり、口数は多くても大したセールストークができない、斬新なビジネスのアイディアを思いつくわけでもない、つまり飛び抜けた才能の持ち主ではない。あるのは成功のためなら、嘘をついたり人を裏切ったりしてもいいから突き進むという「執念」だけ。執念も行くところまで行ったら、こうなれるという讃歌の側面もあるように見えてくる。

尚、マクドナルド兄弟の感覚と同様に、「そこまでして大儲けしたいと思わない」と感じる人は、僕を含めて多数いるはず。でも見方によればそれは負け犬の遠吠えにすぎない。レイを批判できるのは、人に恥じることのない方法で、レイと同様な成功を得る方法を考えた人だけだと思う。レイが酷い人間だと批判だけしている人は、だからきっと何も成し遂げられないはずだ。

尚、さほど優秀とは思えないセールスマン、人を裏切ってまで自分の利益を得ようとする器の小ささ、しかしそれでも前に突き進む意思の強さと精神力があるという、強い部分と弱い部分が同居したキャラクターを演じるマイケル・キートンが素晴らしい。大物感がありすぎたり、スマートすぎたりしてはいけない、でも単細胞の小物でもなく、押しの強さもある程度必要というバランスのキャラクターをこれほどうまく演じられる人はいないでしょう。間違いなくキートンにとってのベストアクト、今後もこれ以上の映画を残せるかどうかわからないほどの見事な演技でしょう。

マクドナルドは、世界的有名企業であり、何かと標的にされてしまう。「スーパーサイズ・ミー」という映画は、毎日マクドナルドを食べ続け「スーパーサイズはいかがですか?」と訊かれたらスーパーサイズを注文しなくてはならないというルールを課して、最終的には健康を損なうという内容になっているんだけれど、マクドナルドでなくても同じものばかり毎日食べて健康でいられる食品なんてものはない(バランス良い食事が健康に一番良いことくらいみんな知っている)わけで、企画からして悪意しか感じない。

ちなみに、今は普通にマクドナルトを僕は食べる。平均すると月に1回程度、時間がないときに小腹を満たす目的で利用している。「ファストフードが世界を食いつくす」で、あのポテトの匂いは香料で虫も近寄らないとか、低賃金労働者から搾取していることとかを知って酷い企業だとあの当時(34歳くらいのとき)は思ったものだけれど、どんな企業にも闇はあるし、多くの食事には体に良くないものが含まれていて、要は物事をバランスよく見渡すことができるようになると、過剰に摂取しなければ体に悪いなんてことはないと気づき、悪徳企業だという偏った思いもなくなって行く。こういう映画を見て、ただ「もう食べない」という思考停止に陥ることは避けたいもの。

それはともかく、この「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」、ビジネスマンとしてどう生きるかをまっとうに、そして丁寧に描いており、映画としての完成度も高い。なかなか良くできた映画です。主役に共感できるかどうかという視点でなく、人間を人間らしく、丁寧に描かれている映画に面白みを感じる人にお勧めです。



サブ・オーディオを刷新した

拙宅は、じっくり吟味して、本気で音質を追い求めて選んだオーディオがリビングに据えてある。まあ、2LDKなので専用ルームなんてのは夢のまた夢、映画鑑賞も含め、リビングがオーディオ・ルームになっている。マンションではあまり大きな音量で鳴らすこともできませんが。

寝るとき以外は妻と一緒にリビングで過ごしているのが通常の生活で、2人揃って普段はあまりテレビを見ないこともあって自由に音楽を聴くことができる。8年前に結婚してからそのような生活パターンだから、気合を入れて選んだオーディオで好きなときに好きなだけ音楽を聴けるという恵まれた生活することができています(妻が自由に聴かせてくれているおかげ)。

なのに、実は寝室にもサブのオーディオ・セットがある。DENON RCD-CX1というSACD/CDプレーヤー
一体式アンプに、ブックシェルフ型スピーカーのベストセラー B&W CM1という組み合わせのコンパクトなシステムで2008年に購入したもの。2010年からはSqueezebox Touchを再生機としていたので、RCD-CX1は実質アンプとしての使用だったんだけれど、このシステムは価格の割にはなかなか良い音で音を鳴らしてくれている。その音の中心であるB&W CM1は、この価格、このサイズでありながら華やかな高音とローエンド域まである程度出る低音(その分能率は低い)、そして奥行きのある音場が魅力的なスピーカーで、ジャズとロックだけでなくクラシックを聴くようになってからもサブ機としては上々の再生能力があった。

このサブ・システムは独身時代、まだ両親と暮らしていたときに、親がテレビを見ていたりすると音楽が聴けないことから自分の寝室用に購入。前述の通り、結婚して妻と2人で暮らすようになってから使う機会が激減したんだけれども、機材に愛着もあって引っ越した今でもそのまま寝室に鎮座していた。引っ越し前は妻がリビングでビデオ通話(仕事)をしているときがたまにあったので、そんなときにまだ使う機会があったものの、引っ越してからは洋室のひとつを仕事部屋として使えるようにしたため、いよいよ使う機会がなくなってしまった。

ならばもう売ってしまえばいいじゃないか、と思うんだけれども、メイン機以外でも何か音が鳴るシステムがないと寂しい(苦笑)。あと、仕事可能な部屋とした洋室は今後自分の自宅勤務でも使う可能性があり、ここに音楽を聴ける環境がないのも寂しい。

というわけで(?)、従来のサブ・オーディオ環境を刷新し、新しい生活に合った新しいサブ・オーディオ環境を導入しようではないかと思ったわけです。仕事用デスクはそれほど広いというわけではなく、ブックシェルフ型のスピーカーでも邪魔になるし、場所を取るスピーカーをデスクに置くことは妻も望んでいない。となると、ある程度スペース効率に優れつつも、そこそこ良い音で鳴らしてくれるシステムが望ましい。更に言うならば、これまで同様にサブ・オーディオ・システムとして寝室でも使いたい。即ち、寝室と仕事部屋で気軽に移動できるものであって欲しい。

そんな要望に一番近いのは、今や星の数ほど製品が溢れているモバイル・スピーカー。とはいえ、サイズ的制約(ポータブル用途前提なので当然小型)により音場が狭く、どんな製品であっても箱庭的になってしまう。また、検討している用途にバッテリー駆動も必要ない。

そうやって条件をいろいろと付けて行くと選択肢はどんどん少なくなって行く。ようやく見つけたのが B&O BeoPlay A6というスタイリッシュなネットワーク再生対応のスピーカー。壁掛け、天吊り可能であればデスク・スペースを取ることもなく、パソコンの奥に設置すると直接音が聴こえなくなるという問題も壁掛けなら回避できる。しかもDLNAに対応しているため、拙宅のNASに蓄えてある音源をそのまま再生できる。A6は既に発売から2年も経過している(既に生産終了しており在庫品で販売終了らしい)にもかかわらず、発売時にはまだ日本でサービスが始まっていなかったSpotifyやGoogle Chromecastにも対応していて、現時点でも仕様が古びていない(B&Oの先進性が現れている)。

尚、旅行のときに持ち歩くモバイル・スピーカーとしては、同じくB&OのBeoPlay A2を愛用している。このスピーカーはモバイル用途としてはなかなかの高音質で音の響きもナチュラル。いや、実は厳密に言うとナチュラルではない。注意深く聴けば実はそれなりに加工された音であることがオーディオに精通している人ならわかる。でも、限られたサイズで、ある程度広い音場感を出しつつ、情報量豊かで、Fレンジもそこそこ欲張って、ひとつひとつの音をしなやかに出すのは無理な話というもので、それら要素をバランスよく満たすためにはそれなりの加工が必要になるのは仕方がないこと。B&Oの製品は「ナチュラルに聴こえるように巧みに加工・演出された音質」であると僕は思っている。加工・演出されているということは、特性が音源に合っていないとショボい音に聴こえる場合があることを意味しているんだけれど、サイズなどの制約のある中で、B&Oの音はなかなか上手く作ってあって、僕はその音質を愛好している。

そんなBeoPlay A6を家電店で視聴して、納得できる音であったので購入と相成りました。BeoPlay A2と同じ傾向の音色を持っていて、まずまず豊かな情報量、低音域の充実、モバイル・スピーカーより広い音場を実現していて、まさに今回望んでいる音質だったから。豊かで自然な響きを要求される金管楽器・木管楽器、艷やかで柔らかい響きを要求される弦楽器の表現は、この価格帯、サイズではなかなかのもの。

ちなみに同価格帯の競合製品としてDYNAUDIO MUSIC 5という製品があり、こちらも店頭で視聴できた。ところが予想外にモバイル・スピーカー特有の箱庭的な鳴り方でちょっとガッカリ。所謂ピュアオーディオ用のスピーカーではクオリティの高いモデルをラインナップしているディナウディオだけれど、この種のスピーカーではまだノウハウが足りていないのかもしれない(あるいはJBLのように同じブランドでもモバイル系はまったく異なるコンセプトにしているのかも?)。

余談ながら、B&OにはBeoPlay A9という上位モデルがあり、こちらも一応試聴してみたところ、これが実に素晴らしい音で一瞬これにしようかと思ったほどでした。サイズ的制約が少ない(言い換えると大きくて重い)ことで音に余裕があり、小型ハイコンポに引けを取らない音質。いや、小型ハイコンポにも部分的には大型のシステム的な音を出そうという演出があることを考えると、むしろA9の方が無理がなくて自然であるように思える。ネットのレビューではコモリ気味という意見もあり、確かに高音の抜けが特別良いわけではない(見通しが良いわけではない)ものの、音のきめ細かさと柔らかみがあって総合的なクオリティは高いと思いました。こういう傾向の音質は聴き疲れしないもので、そういう意味ではBOSEも似た特性があるんですが、B&Oの音作りの方がより自然で音の情報量が多い。尚、個人的な意見ですが、B&OはBOSEの高級版の位置づけと言って良い性格のスピーカーだと思います。BOSEやB&Oの製品は、機器の正面に姿勢良く座って本気で聴くというよりは、BGMとして心地良く聴くためのものという製品コンセプトなので、本気のリスニングを目的とするのでなければA9の音で不足を感じる人は少ないでしょう。

というわけで音質的にはBeoPlay A9が断然気に入ったんですが、今必要としているのは、あまり使用頻度が高くないサブ・システム用、状況に応じて寝室の仕事部屋を移動させるという用途だったのでA9のサイズと重さはちょっと無理があり、価格も倍以上ということでこちらは見送り、当初から第1候補としていたBeoPlay A6を選ぶことになったというわけです。

さて、持ち帰って早速セットアップ。付属のクイックスタート・ガイドは最低限のことしか書かれていない(オンライン・ユーザーガイドもたいしたことは書かれていない)ものの、無線ルーターへの接続は記載通りの操作ですぐに完了。音を出してみると、店頭で聴いたときよりも好印象、カジュアル聴き用途ならこれで十分と納得できる音質。まあ、騒々しい家電店の店頭ではごく大雑なに音の傾向を知るのが精一杯なので当然と言えば当然です(それでも試聴してみないと何もわからない)。

もともと望んだポイントでもありますが、やはりモバイル・スピーカーよりは音場が広いところが良い。オーディオ機器への要求度がもっとも厳しくなるオーケストラの再生では、金管、木管楽器の響きもまずまず、弦の艶も及第点、A9と較べるとすべてにおいて格落ちは否めないものの、サブ用として聴くには納得できるレベル。低音がモバイル・スピーカーより余裕があるのも期待通り。BGM用、カジュアル用途としては総じて満足できるサウンドで気分良く聴けます。とはいえ、やはりフルサイズのオーディオではないのでスケール感はそこそこ、大編成のオーケストラよりは、音数が少ないジャズやロックの方が上手く鳴ってくれるのは間違いないところ。念の為に書いておきますが、リビングにあるオーディオのように本気でHi-Fidelityを求めて開発された製品を基準にすると、較べることが憚れるくらい音場は狭いし、音質も落ちます。そもそも狙っている方向が違うし、価格も全然違うからそれは当たり前のこと。また従来のサブ機(RCD-CX1+CM1)と較べても、解像度と高音の見通しは劣っています。こちらもA6の方が価格が半分以下であることを考えればこれも当然のこと。特にBeoPlay A6はA9同様に高音域が控えめで、シンバルなどの金物系はあまり響かせない音作りになっているので派手な音色が好みの人には向いていないでしょう。もう少し高音が欲しい場合にはイコライザーで高音を上乗せすれば、シンバル系の抜けが良くなるものの、音の見通しの良さはそれほど変わりません。例えばソニー製品のようなクッキリ、ハッキリ系の音ではなく、あくまでも柔らかく響かせる音作りです。尚、こうした音質傾向のせいか、Wi-Fiでの再生(DLNA、AirPlay)とBluetooth接続での音質差は極小で、恐らくほとんどの人がブラインドで聴き分けるのは難しいでしょう。

そのまんまの名前である「Bang & Olfsen」というアプリで操作することで、BassとTrebleの調整、ラウドネスON/OFF(これも小音量でのBGM用途を想定している証)、ボリュームの調整が可能。設置場所によって「Free(前後左右に壁がない場所)」「Wall」「Corner」の音設定は本体下部のスイッチで切り替える。このセッティングの違いは想定通り、Freeでは低音域全体が強調され、Cornerでは控えめになる設定で、音場感などスピーカーの基本特性が変わるような極端な違いをもたらす設定にはなっていない。このネーミングの指定に合わせなくても好みで選べば良いと思います。尚、このアプリでDLNAから音源再生が可能ではあるものの、曲の検索性はいまひとつ。「ジャンル」から全アルバムを表示できるのは僕にとって必須項目でこれができるのは嬉しいんだけれど、リストされるアルバム一覧にアーティスト名が併記されないため、例えば Beethoven: Symphony #5 が20以上並んで出てきてもどれがどの演奏家であるかわからないところは残念。あと、アルバム一覧でアートワークが表示されないため、ジャケットから直感的に目的のアルバムを選べないところも改善してほしいポイント。ちなみに、拙宅のネットワークプレーヤー YAMAHA WXC-50をレンダラーとして認識してくれるLUMINアプリでA6は認識してくれませんでした。

BeoPlay A6は本体上部をタップやスワイプすることで、曲の再生/一時停止、音量調整できるスタイリッシュさがウリのひとつになっていて確かに操作している様は見た目にも「おっ」と思わせるものがある。一方で、本体からひとたび離れると(普通のリスニングではそうなるはず)何かしらのリモート・コントロールが当然必要になり、DLNA再生の場合は純正アプリからということになる。ところが、iPad(もちろんiPhoneも)ロック画面に簡易操作画面は出てこないし、iPad本体のボタンで音量を変更することができない。DLNA再生はレンダラー操作になる(iPadじたいが音源ファイルを再生しているわけではない)ため、これは仕方のないこと。しかし、アプリを開いたときでもボタンで音量調整できず、再生/一時停止を含め、音楽再生画面を呼び出さないと操作できない。これはかなり不便。しかもこのアプリ、開いてからA6へのネットワーク接続をし直すため、操作できるようになるまで5秒くらい待たなくてはならないという特性もある。リモート・コントロールを前提とするなら音楽再生アプリを使ってAirPlayかBluetooth(それぞれiPadのボタンで音量調整可能)を選んだ方がずっと便利。純正アプリは、曲の検索性と合わせ、DLNA環境での操作性は今ひとつです。DLNA再生だとギャップレス再生もできないので、iPengでAirPlayでの再生がメインになりそう。

ちなみに、BeoPlay A6には物理スイッチがどこにも見当たらない。スイッチとケーブル差込口類は本体中央底辺に集約されていて、蓋で閉じられているので、これらのスイッチは通常の利用では触れないことを前提とした設計ということになる。3.5ミリの入力プラグもこの中にあり、有線での外部入力に使うことはできるけれど、カバーを外さないとアクセスできないということは、それがメインの使い方ではないという製品からのメッセージということ。電源スイッチもこの中にあるため、電源オン/オフも通常はしない使い方を想定しているようです。一応タッチ操作、またはアプリでスタンバイにはできるものの、基本的には電源入れっぱなし、聴きたいときにすぐに聴ける状態で使う(電源コードを差し込んでから聴ける状態になるまで1分かかる)ものという、いかにも外国製品的らしい割り切りがなされています。

尚、無線の接続性については、iPhoneなどではWi-Fiが途切れてしまうところ(拙宅は無線LAN親機が部屋の端にあるので反対の部屋の端までは届かない)、無線ステイタスがPoorの状態でも粘ってDLNA再生を続けてくれています。データ転送量が多いと思われるハイレゾ音源でも途切れないので、無線の接続性は良好と言って良いでしょう(でWi-Fiが切れてしまうとiPadなどで操作できませんが)。

旧来スタイルのオーディオがミニマル・デザインの無線オーディオに変わると部屋がこうなる、の図↓

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NAS音源を再生するためのプレーヤーとして使っていたSqueezeBox Touchは撤去して、こちらはメインオーディオ故障時のバックアップ機として保存。STAXヘッドフォンとアンプがなければもっとスッキリするけれど、これは愛用機なので手放すつもりはありません。余談ながらNAS音源をSTAXで聴くために昔使っていたAirMac Expressを復活させました。

仕事部屋で聴くときは、とりあえずこんな感じで吊り下げる感じにしてみた。手元にあったS字フックとホームセンターで用意した金具と紐であつらえたもので見た目が悪いんだけど、聴かないときには全部外してしまうからまあこれでいいか、という感じです。

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というわけで、用途を考え、オーディオ的パフォーマンスよりもデザインと機動性、機能性を優先したオーディオ製品選びというのもあっていいんじゃないか、という話でした。もともとミニ・コンポの音質は本格的なオーディオ・システムにはやはり敵わないので、サブ・オーディオと割り切ってスタイル優先の製品選びというのもアリだと思います。

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